被保険者に生計を維持されていた方は埋葬料5万円、該当者がいないとき実際に埋葬した方は埋葬費を実費上限5万円、被扶養者の死亡では被保険者へ家族埋葬料5万円です。埋葬料は葬儀実施が要件ではありませんが、埋葬費は埋葬後に領収書・明細を付けて請求します。
埋葬料・埋葬費・家族埋葬料の違い
- 給付・確認項目
- 対象と内容
- 埋葬料
- 被保険者に生計を維持されていた方へ定額5万円
- 埋葬費
- 埋葬料の対象者がいない場合、実際の埋葬費用を上限5万円
- 家族埋葬料
- 被扶養者が亡くなった場合、被保険者へ定額5万円
- 埋葬料等の期限
- 死亡日の翌日から2年
- 埋葬費の期限
- 埋葬を行った日の翌日から2年
- 協会けんぽの申請
- 電子申請または加入支部へ郵送。居住地だけで支部を決めない
埋葬料は葬儀不要、埋葬費は実際の埋葬後
埋葬料は死亡確認で対象になり、仮埋葬や葬儀を行わない場合でも支給されます。一方、埋葬費は埋葬料を請求できる方がいない場合だけで、実際に埋葬した後に領収書と費用明細を付けて請求します。
似た名称ですが、請求者・必要書類・2年の起算日が異なります。
埋葬料・埋葬費を請求する6STEP
- 1
資格情報から死亡時の保険者・協会けんぽ支部を確認する
- 2
亡くなった方が被保険者本人か被扶養者かを確認する
- 3
生計維持関係と実際の費用負担から給付区分を判定する
- 4
事業主証明、生計維持資料、領収書・費用明細等をそろえる
- 5
協会けんぽは電子申請または加入支部へ郵送し、組合健保は指定方法で提出する
- 6
受付番号と控えを保管し、国保・以前の保険・労災との重複がないか確認する
最初に確認すること
亡くなった方が被保険者本人か被扶養者か、死亡時の保険者はどこかを確認します。協会けんぽ、健康保険組合、共済組合では提出先や付加給付が異なります。協会けんぽの支部は住所だけで決めず、資格情報のお知らせ、資格確認書またはマイナポータルの資格情報で確認してください。
誰が必要か
被保険者本人が亡くなった場合、まず亡くなった方に生計を維持されていた方が埋葬料を請求します。健康保険の被扶養者や親族であることは必須ではなく、生活費の一部でも維持されていた関係が対象になり得ます。
埋葬料を受けられる方がいない場合に限り、実際に埋葬を行い費用を支払った方が埋葬費を請求します。被扶養者が亡くなった場合は、被保険者が家族埋葬料を請求します。
埋葬料・埋葬費・家族埋葬料の違い
埋葬料は定額5万円で、実際に葬儀・埋葬を行ったことは支給要件ではありません。協会けんぽの現行手引きは、死亡の事実またはその確認があれば、仮埋葬や葬儀を行わない場合でも支給すると説明しています。
埋葬費は、埋葬料を受けられる方がいない場合だけの補完的な給付です。実際に埋葬した後、支払った対象費用について5万円を上限に支給されます。
家族埋葬料は、健康保険の被扶養者が亡くなったとき、被保険者へ定額5万円が支給される制度です。資格喪失後に元被扶養者が亡くなっても対象にはなりません。
期限
- 埋葬料・家族埋葬料:死亡日の翌日から2年
- 埋葬費:実際に埋葬を行った日の翌日から2年
いずれも2年ですが起算日が違います。埋葬費は埋葬後でなければ請求できないため、領収書と埋葬日を確認してください。詳細は協会けんぽの申請案内で確認できます。
支給額
健康保険法第100条・第113条と健康保険法施行令第35条に基づき、埋葬料と家族埋葬料は5万円です。埋葬費は実際に埋葬に要した対象費用の額で、上限は5万円です。
健康保険組合には独自の付加給付がある場合があります。法定給付だけで終わりと決めず、加入していた組合の規約・給付一覧を確認します。
埋葬費の対象となる費用
協会けんぽは、葬壇一式料、霊柩車代、霊柩運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶への謝礼等を例示しています。対象範囲に迷う費用は提出先支部へ確認してください。
埋葬費では、支払った方のフルネームと費用額が記載された領収書、費用の内訳が分かる明細書が必要です。単に葬儀費用の総額が5万円を超えるというだけでは足りません。
手続き先
協会けんぽ加入者の紙申請は、加入していた協会けんぽ支部へ郵送します。2026年1月13日から電子申請にも対応しており、電子申請では申請者が提出先支部を選ぶ必要はありません。
健康保険組合・共済組合の加入者は各保険者へ提出します。会社の人事・総務が申請を案内する場合でも、死亡の資格喪失届・被扶養者異動届と埋葬料等の給付申請は別手続きです。
必要書類
- 健康保険埋葬料(費)支給申請書
- 事業主による死亡の証明
- 事業主証明を受けられない場合または任意継続中の場合は、埋火葬許可証、死亡診断書、死体検案書、戸籍、住民票等のうち指定された書類
- 被扶養者以外の生計維持者が埋葬料を請求する場合は住民票。別居なら仕送り記録や公共料金の支払資料等
- 埋葬費の場合は、支払者のフルネームと金額が記載された領収書、費用明細書
- 記号・番号ではなくマイナンバーを記入する場合は番号確認・本人確認書類
- 代理人が申請する場合は、代理権と代理人の本人確認に必要な書類
申請書に被保険者の記号・番号を記入すれば、マイナンバーの記入は不要です。事案によって追加資料を求められる場合があります。
資格喪失後に亡くなった場合
被保険者だった方が次のいずれかに該当して亡くなった場合、以前の健康保険から埋葬料または埋葬費が支給される可能性があります。
- 資格喪失後3か月以内に亡くなった
- 資格喪失後の傷病手当金または出産手当金の継続給付中に亡くなった
- その継続給付を受けなくなってから3か月以内に亡くなった
1のケースは、資格喪失前の被保険者期間の長さを問いません。資格喪失後に加入した健康保険で埋葬料を請求している場合は、以前の健康保険から重ねて受け取れません。元被扶養者の死亡には資格喪失後の家族埋葬料はありません。
国保の葬祭費・労災との関係
退職後に国民健康保険へ加入していても、資格喪失後給付の条件に該当する場合があります。No.26の国保・後期高齢者医療の葬祭費へ先に申請せず、以前の保険者と市へ給付関係を確認してください。
業務上または通勤途中の死亡は労災保険が優先する可能性があります。労災給付を請求中なら、協会けんぽは労働基準監督署への照会同意書を案内しています。第三者行為による死亡では第三者行為による傷病届が必要です。
費用と支給時期
協会けんぽへの申請手数料はかかりません。郵送代、住民票・戸籍等の取得費は申請者負担です。協会けんぽは、審査の結果支払い可能であれば受付日から10営業日以内に支払うと案内しています。
ただし、日本年金機構側の資格喪失・扶養解除処理が完了していない場合や追加書類が必要な場合は、処理に時間がかかることがあります。
手続き方法
資格情報から保険者を特定し、亡くなった方が被保険者か被扶養者かを確認します。次に生計維持関係の有無から給付区分を決め、事業主証明・生計維持資料・領収書等をそろえます。
協会けんぽなら電子申請または加入支部への郵送、組合健保なら組合指定の方法で提出します。提出日、給付区分、添付資料、受付番号を記録しておきます。
自分でできるか
保険者、請求者区分、必要書類が明確なら自分で申請できます。相続人全員の同意や遺産分割協議は通常の申請要件ではありません。
ただし、生計維持関係の証明、資格喪失後給付、労災・第三者行為、複数人が費用を負担したケースは、提出前に保険者へ確認します。
専門家・窓口に相談した方がよいケース
- 内縁関係、別居、仕送り等の生計維持関係をどう証明するか分からない
- 退職後3か月以内で、以前の健康保険と国保のどちらが対象か分からない
- 業務上・通勤途中の死亡で労災の可能性がある
- 第三者行為が死亡原因に関係している
- 複数人が費用を支払い、領収書・振込先の名義が分かれている
給付要件は加入保険者へ、労災は労働基準監督署へ、当事者間の争いは弁護士等へ相談します。
注意点
- 埋葬料は葬儀実施が要件ではない:死亡確認で対象になり得ます。
- 埋葬費は埋葬後に請求:実際の支払額と明細が必要です。
- 起算日を混同しない:埋葬料等は死亡日、埋葬費は埋葬日を基準にします。
- 住所だけで支部を決めない:資格情報で加入支部・保険者を確認します。
- 資格喪失届と給付申請は別:会社への死亡連絡だけでは完了しません。
- 二重請求をしない:国保の葬祭費・現在の健康保険・以前の健康保険・労災の関係を確認します。
よくある質問
葬儀をしていなくても埋葬料を請求できますか
協会けんぽは、埋葬料について死亡の事実または確認があれば、仮埋葬や葬儀を行わない場合でも支給すると案内しています。埋葬費は実際の埋葬後でなければ請求できません。
被扶養者でなくても埋葬料を請求できますか
亡くなった被保険者に生計を維持されていたことが確認できれば、健康保険の被扶養者や親族でなくても対象になり得ます。別居の場合は仕送り等の資料を求められます。
葬儀費用が5万円未満でも埋葬料は5万円ですか
埋葬料と家族埋葬料は定額5万円です。埋葬費は対象実費が5万円未満なら、その実費額が上限です。
会社を辞めた後でも請求できますか
資格喪失後3か月以内など所定の条件に該当すれば、以前の保険者から支給される可能性があります。死亡日と資格喪失日を伝えて確認してください。
協会けんぽへオンライン申請できますか
できます。協会けんぽは2026年1月13日から電子申請サービスを開始しています。紙の場合は加入支部へ郵送します。
関連する相続手続き
野田市・柏市・流山市・松戸市の管轄・問い合わせ先
この手続きは4市の市役所ではなく、死亡時に加入していた健康保険者が窓口です。居住地だけで千葉支部と判断せず、資格情報のお知らせ、資格確認書、マイナポータルで提出先を確認してください。
協会けんぽ千葉支部:〒260-8645 千葉市中央区新町3-13 日本生命千葉駅前ビル2階。電話・提出方法の確認日:2026-08-27。受付時間は平日8時30分~17時15分です。
参考にした公式情報
- e-Gov法令検索「健康保険法」
- e-Gov法令検索「健康保険法施行令」
- 協会けんぽ「埋葬料・埋葬費」
- 協会けんぽ「健康保険埋葬料(費)支給申請書」
- 協会けんぽ「埋葬料・埋葬費FAQ」
- 協会けんぽ「電子申請の必要書類」
- 協会けんぽ「千葉支部」
情報確認日:2026年9月12日
健康保険組合・共済組合の付加給付、様式、提出方法は保険者ごとに異なります。死亡時に加入していた保険者の最新案内を優先してください。