市役所・官公署の手続き

労災の遺族補償年金|対象・金額・請求期限と2027年改正

期限
年金・通常の遺族一時金は死亡日の翌日から5年(前払一時金・葬祭料等は2年)
手続き先
原則、被災労働者が働いていた事業場を管轄する労働基準監督署

業務・複数業務要因・通勤が原因の死亡では、一定の遺族が労災の遺族(補償)等年金または一時金を請求できます。年金・通常の遺族一時金は死亡翌日から5年、前払一時金・葬祭料等は2年です。2027年4月から夫の年齢要件と遺族1人の給付日数が改正されます。

遺族(補償)等給付の基本情報

確認項目
結論
対象災害
業務災害、複数業務要因災害、通勤災害による死亡
年金対象
死亡時に収入で生計を維持されていた一定の遺族の最先順位者
現行年金額
遺族数等に応じ給付基礎日額153~245日分+特別支給金300万円等
2027年改正
4月1日から夫の年齢等要件を撤廃し、遺族1人は一律175日分
通常の一時金
年金資格者がいない場合等に給付基礎日額1,000日分等
期限
年金・通常一時金は死亡翌日から5年。前払一時金・葬祭料等は2年
窓口
原則、被災労働者が働いていた事業場を管轄する労働基準監督署

2026年現在と2027年4月改正後を混同しない

2026年8月現在、遺族1人の年金は原則153日分で、55歳以上または一定障害の妻のみ175日分です。夫には死亡時55歳以上等の要件があり、55歳以上60歳未満では若年停止があります。

2027年4月1日から夫の年齢・障害要件が撤廃され、遺族1人は一律175日分になります。死亡日と適用制度を所轄署で確認してください。

遺族(補償)等給付を請求する8STEP

1

死亡原因と業務・複数業務要因・通勤との関係を整理する

2

被災労働者が働いていた事業場所在地から所轄労基署を確認する

3

続柄、年齢、障害状態、生計維持関係から現行の受給順位を確認する

4

死亡日を基準に2026年現行制度か2027年改正後かを確認する

5

年金・通常一時金・前払一時金のどれが関係するか確認する

6

災害区分に合う様式と戸籍・死亡・生計維持・業務起因性資料をそろえる

7

所轄労働基準監督署へ提出し、調査や追加資料提出に対応する

8

葬祭料、公的遺族年金、未支給給付の請求と併給調整も確認する

労災の遺族(補償)等給付とは

労働者が業務災害、複数業務要因災害、通勤災害で亡くなった場合、一定の遺族に労災保険から遺族給付が支給されます。業務災害では「遺族補償給付」、複数業務要因災害では「複数事業労働者遺族給付」、通勤災害では「遺族給付」という名称ですが、年金と一時金の仕組みは共通しています。

厚生労働省の請求手続パンフレットでは、遺族(補償)等年金と遺族(補償)等一時金の2種類を案内しています。日本年金機構の遺族基礎年金・遺族厚生年金や、葬祭料等とは別の請求です。

2026年8月現在の受給資格者と順位

遺族(補償)等年金は、死亡時に被災労働者の収入で生計を維持されていた一定の遺族のうち、最先順位者が受給権者になります。「生計維持」には、被災労働者の収入で生活の全部または主な部分を維持していた場合だけでなく、共働きで収入の一部により生活を維持していた場合も含まれます。

  1. 妻、または60歳以上・一定障害の夫
  2. 18歳到達後最初の3月31日まで、または一定障害の子
  3. 60歳以上・一定障害の父母
  4. 18歳到達後最初の3月31日まで、または一定障害の孫
  5. 60歳以上・一定障害の祖父母
  6. 年少・60歳以上・一定障害の兄弟姉妹
  7. 55歳以上60歳未満の夫
  8. 55歳以上60歳未満の父母
  9. 55歳以上60歳未満の祖父母
  10. 55歳以上60歳未満の兄弟姉妹

一定障害とは障害等級第5級以上の身体障害です。7~10番目の55歳以上60歳未満の方は、受給権者になっても60歳まで年金が支給停止されます。配偶者には事実上婚姻関係と同様の事情にある方を含み、死亡時に胎児だった子は出生時から受給資格者になります。

2027年4月1日の改正

厚生労働省の2026年改正案内によると、2027年4月1日から、夫にだけ課されている「妻の死亡時に55歳以上または一定障害」という支給要件が撤廃されます。また、遺族1人の年金額は、現行の153日分(55歳以上または一定障害の妻は175日分)から一律175日分へ変更されます。

2026年8月現在は改正前です。死亡日や受給権発生日によって適用制度が変わるため、2027年改正を現行事件へ前倒しして計算しないでください。

年金額と特別支給金

現行の遺族(補償)等年金は、遺族数に応じて次の年額です。遺族数は受給権者と、その受給権者と生計を同じくする受給資格者の数で数えます。

  • 1人:給付基礎日額の153日分。ただし55歳以上または一定障害の妻は175日分
  • 2人:給付基礎日額の201日分
  • 3人:給付基礎日額の223日分
  • 4人以上:給付基礎日額の245日分

これに加え、遺族数にかかわらず遺族特別支給金300万円と、ボーナス等を基礎とする遺族特別年金が支給されます。同順位の受給権者が2人以上いる場合は代表者を選任し、年金額は受給権者間で等分されます。

遺族(補償)等一時金

死亡時に年金を受けられる遺族がいない場合は、一定順位の遺族に給付基礎日額の1,000日分、遺族特別支給金300万円、算定基礎日額の1,000日分が支給されます。

年金受給権者が最後順位者まですべて失権し、すでに支給された年金と前払一時金の合計が給付基礎日額1,000日分に満たない場合には差額一時金が支給されます。この場合、遺族特別支給金300万円は重ねて支給されません。

一時金の順位は、1.配偶者、2.死亡時に収入で生計を維持されていた子・父母・孫・祖父母、3.その他の子・父母・孫・祖父母、4.兄弟姉妹です。年金の受給資格・順位とは異なります。

前払一時金という選択肢

年金の受給権者は1回に限り、給付基礎日額の200日分、400日分、600日分、800日分、1,000日分から前払額を選べます。前払いを受けると、その額に達するまで年金が支給停止されます。

前払一時金の時効は死亡日の翌日から2年です。原則として年金請求と同時に年金申請様式第1号を提出します。年金決定後でも、死亡日の翌日から2年以内かつ支給決定通知日の翌日から1年以内なら請求できる場合があります。

請求期限

厚生労働省の時効一覧では、遺族(補償)等年金と遺族(補償)等一時金は死亡日の翌日から5年です。前払一時金と葬祭料等は死亡日の翌日から2年で、期限が異なります。業務起因性の調査や証拠収集には時間がかかるため、期限直前まで待たないでください。

使用する請求書

  • 業務災害・複数業務要因災害の年金:様式第12号
  • 通勤災害の年金:様式第16号の8
  • 業務災害・複数業務要因災害の一時金:様式第15号
  • 通勤災害の一時金:様式第16号の9
  • 年金の前払一時金:年金申請様式第1号

最新様式は厚生労働省の主要様式ダウンロードから入手します。災害区分を誤ると使用する様式が変わるため、提出前に所轄署へ確認してください。

必要書類

  • 該当する支給請求書
  • 死亡診断書、死体検案書、検視調書または記載事項証明書等
  • 請求人・他の受給資格者と被災労働者の身分関係を確認する戸籍謄本等
  • 被災労働者の収入で生計を維持されていたことを確認する書類
  • 事実婚、障害状態、同一生計を確認する追加書類(該当時)
  • 業務・通勤との因果関係を示す事故資料、勤務記録、診療記録等
  • 遺族厚生年金等を受給する場合の支給額を確認する書類
  • 請求人のマイナンバー・本人確認書類

請求書へマイナンバーを記載すると、住民票の写しを省略できる場合があります。郵送時は本人確認書類の写しを同封し、個人番号の漏えい防止のため追跡できる方法が推奨されています。

会社が証明を拒んだ場合

厚生労働省Q&Aは、事業主証明を得られなくても労災請求できると明記しています。労災かどうかを決めるのは会社ではなく、請求を受けた労働基準監督署長です。証明が得られない事情を説明し、所轄署へ相談してください。

遺族厚生年金等との併給調整

同一の死亡について遺族厚生年金・遺族基礎年金等も受ける場合、社会保険年金は全額支給され、労災年金側に調整率が適用されます。厚生年金と国民年金の遺族年金を併給する場合は0.80、遺族厚生年金のみは0.84、遺族基礎年金のみは0.88が現行の案内です。実際の組合せを両窓口へ申告してください。

費用と税金

請求手数料はかかりません。戸籍・診断書等の取得費や郵送料が必要です。労働者災害補償保険法第12条の6により、労災保険給付として受けた金品を標準として租税その他の公課を課すことはできません。ただし、会社からの見舞金、民間保険、損害賠償との調整や課税関係は別に確認してください。

自分でできるか

事故状況、業務・通勤との関係、受給順位が明確なら、遺族自身で請求できます。過労死、精神障害、職業病、複数就業、長期間経過した疾病などは立証資料が多くなるため、早期に所轄署と専門家へ相談してください。

専門家に相談した方がよいケース

  • 会社が資料提供や事業主証明を拒む
  • 過労死、ハラスメント、職業病など因果関係が争われる
  • 内縁、別居、共働きなど生計維持の証明が必要
  • 受給資格者の順位、年齢、障害、転給が複雑
  • 2027年改正の適用時期が問題になる
  • 不支給決定への審査請求を検討する

注意点

  • 居住地ではなく事業場所在地:原則、被災労働者が働いていた事業場を管轄する労基署へ請求します。
  • 公的遺族年金とは別申請:労基署と年金事務所の双方へ申告します。
  • 一時金の種類を区別:年金資格者がいない場合の一時金と、年金の前払一時金は別制度です。
  • 期限を区別:年金・通常の遺族一時金は5年、前払一時金・葬祭料等は2年です。
  • 2027年改正を前倒ししない:2026年8月現在は現行要件・現行日数で判定します。

よくある質問

相続放棄をしても請求できますか

労災の遺族給付は要件を満たす遺族自身の権利で、通常の相続財産とは別です。相続放棄だけで当然に受給権を失うものではありません。

会社が労災を認めなくても請求できますか

請求できます。会社の同意が労災認定を決めるのではありません。事業主証明を得られない事情を伝えて所轄署へ相談します。

遺族厚生年金と両方受け取れますか

両方の受給要件を満たす場合があります。社会保険年金は全額支給され、労災年金側に所定の調整率が適用されます。

遺族が1人なら現在も175日分ですか

2026年8月現在は原則153日分で、55歳以上または一定障害の妻のみ175日分です。一律175日分への改正は2027年4月1日からです。

亡くなった方が複数の会社で働いていた場合はどうしますか

複数業務要因災害では各就業先の負荷や給付基礎日額を確認します。請求書の別紙が必要になる場合があるため、主に負荷があった事業場と所轄署へ早めに相談してください。

関連する相続手続き

野田市・柏市・流山市・松戸市の管轄・問い合わせ先

亡くなった方が働いていた事業場が4市内にある場合、所轄は柏労働基準監督署です。遺族の住所が4市内でも、事業場が別地域ならその事業場を管轄する監督署が提出先です。

野田市内の事業場

柏労働基準監督署 労災第一・第二課

労災保険の遺族給付、葬祭料等の個別相談

柏市内の事業場

柏労働基準監督署 労災第一・第二課

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流山市内の事業場

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給付の個別事情と必要書類を事前確認

松戸市内の事業場

柏労働基準監督署 労災第一・第二課

松戸市内の事業場も柏署の管轄

柏労働基準監督署:〒277-0021 柏市中央町3-2 TLR柏ビル3階、平日8時30分~17時15分。一般的な制度・記入方法は労災保険相談ダイヤル0570-006031、給付の個別相談は所轄署へ。確認日:2026-08-27。

参考にした公式情報

情報確認日:2026年9月12日

労災認定、受給資格、順位、生計維持、給付基礎日額、2027年改正の適用、併給調整、所轄署は個別事情で変わります。所轄労働基準監督署の最新案内と決定を優先してください。