死亡後の年金は、加入制度、納付記録、遺族の続柄・年齢・子の有無で対象が変わります。遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金は原則5年、死亡一時金は死亡日の翌日から2年です。2028年施行予定の改正を現行制度と混同せず、早めに年金事務所等で横断確認してください。
遺族年金・寡婦年金・死亡一時金|対象者・金額・請求期限
- 期限
- 遺族年金等は原則5年、死亡一時金は死亡日の翌日から2年
- 手続き先
- 住所地の市区町村、年金事務所、街角の年金相談センター等
死亡後に確認する4つの年金給付
- 給付
- 主な対象・金額・期限
- 遺族基礎年金
- 子のある配偶者または子。2026年度は年847,300円+子の加算等。原則5年
- 遺族厚生年金
- 生計維持された一定の遺族。原則は報酬比例部分の4分の3。原則5年
- 寡婦年金
- 第1号期間等が10年以上ある夫の妻に60歳から65歳まで。原則5年
- 死亡一時金
- 第1号保険料の換算36月以上等。12万円~32万円。死亡日の翌日から2年
- 選択関係
- 寡婦年金と死亡一時金の両方に該当するときは一方を選択
- 2028年改正
- 遺族厚生年金等の見直しは2028年4月施行予定。2026年現在は未施行
2028年改正を現行制度へ前倒ししない
2026年8月現在は、子のない30歳未満の妻が5年有期などの現行要件で判定します。男女差解消を含む遺族厚生年金の見直しは2028年4月施行予定です。
一方、2026年4月から2028年3月までに父・母が死亡一時金を受ける場合、子の遺族基礎年金に関する経過措置があるため、選択前に年金事務所へ確認します。
死亡後の年金給付を確認する7STEP
- 1
基礎年金番号、死亡日、加入制度、受給中だった年金を確認する
- 2
遺族の続柄・年齢・子の有無・障害状態・生計関係を整理する
- 3
遺族基礎年金と遺族厚生年金の要件を確認する
- 4
第1号被保険者期間があれば寡婦年金・死亡一時金も確認する
- 5
年金事務所等を予約し、現行制度と2028年改正の適用時期を確認する
- 6
戸籍、住民票、所得資料、死亡証明、口座資料等をそろえて請求する
- 7
未支給年金・労災等も確認し、決定通知と提出控えを保管する
最初に確認すること
亡くなった方の基礎年金番号、死亡日時点の加入制度、過去の加入記録、遺族の続柄・年齢・子の有無を整理します。遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金は要件も受給者も異なります。死亡届や未支給年金の手続だけで自動的に審査されるものではないため、年金事務所等で対象給付を横断確認してください。
誰が請求できるか
法定相続人であるだけでは受給できません。亡くなった方との続柄に加え、生計維持または生計同一、年齢、子の有無、婚姻期間、保険料納付記録など、各制度の要件を満たす必要があります。事実上の婚姻関係にある配偶者が対象になる場合もあります。
遺族基礎年金
日本年金機構の現行案内では、所定の死亡・保険料納付要件を満たす方に生計を維持されていた子のある配偶者または子が対象です。子は原則として18歳到達年度の末日まで、または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある方です。
2026年度の年額は、子のある配偶者について847,300円(昭和31年4月1日以前生まれは844,900円)に子の加算を足します。子の加算は1人目・2人目が各243,800円、3人目以降が各81,300円です。例えば昭和31年4月2日以後生まれの配偶者と子1人なら年額1,091,100円です。
遺族厚生年金
日本年金機構の現行案内では、厚生年金加入中の死亡など所定の要件を満たした方に生計を維持されていた遺族のうち、優先順位の高い方が対象です。順位は、子のある配偶者、子、子のない配偶者、父母、孫、祖父母の順で、夫・父母・祖父母には年齢要件があります。
現行制度では、子のない30歳未満の妻は5年間の有期給付です。子のない夫は死亡時55歳以上が要件で、原則60歳から支給されます。年金額は原則として亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3で、短期要件では被保険者期間を300月とみなす計算や、中高齢寡婦加算が関係する場合があります。
寡婦年金
日本年金機構「寡婦年金」によると、第1号被保険者として保険料を納めた期間と免除期間が10年以上ある夫が亡くなったとき、10年以上継続して婚姻関係にあり、死亡時に夫に生計を維持されていた妻へ60歳から65歳まで支給されます。事実上の婚姻関係を含みます。
年金額は、夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3です。夫が老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがある場合や、妻が繰上げの老齢基礎年金を受けている場合などは支給されません。死亡一時金にも該当するときは一方を選択します。
死亡一時金
日本年金機構「死亡一時金」では、第1号被保険者として換算36月以上保険料を納め、老齢基礎年金・障害基礎年金を受けずに亡くなった場合、生計を同じくしていた遺族のうち優先順位が高い方へ支給すると案内しています。順位は配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。
金額は納付月数に応じ12万円から32万円で、付加保険料を36月以上納めていれば8,500円が加算されます。遺族基礎年金を受けられる場合は原則支給されず、寡婦年金にも該当する場合は一方を選びます。
2026年4月から2028年3月までの注意
現行制度では、子に遺族基礎年金の受給権が生じても、その子と生計を同じくする父または母がいるため子の年金が支給停止となる場合、遺族基礎年金を受けない父または母が死亡一時金を受けられることがあります。
2026年4月1日から2028年3月31日までにこの死亡一時金の権利が生じ、父または母が受け取った場合、2028年4月以後も同居する子の遺族基礎年金は引き続き支給停止となる経過措置があります。子の年金と死亡一時金の関係は自己判断せず、請求前に年金事務所へ確認してください。
2028年4月施行予定の改正
厚生労働省の改正案内によると、遺族厚生年金の男女差解消や、子の遺族基礎年金が支給停止となる規定の見直しは2028年4月施行予定です。2026年8月現在の死亡・請求に、将来制度を前倒しして適用してはいけません。
改正前から受給している方、60歳以後に受給権が発生する方、18歳年度末までの子を養育中の方、2028年度に40歳以上となる女性など、改正の影響を受けないケースも公表されています。死亡日と受給権発生日を伝えて現行・改正後のどちらが適用されるか確認します。
請求期限と時効
日本年金機構「年金の時効」では、遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金など年金を受ける基本権は、権利発生から原則5年で時効とされています。死亡一時金は死亡日の翌日から2年です。
遺族年金は5年以内ならいつ請求しても同じという意味ではありません。過去の各支払期の給付にも時効の扱いがあり、事実婚・別居の証明や加入記録の確認にも時間を要します。死亡後できるだけ早く予約相談してください。
手続き先
遺族基礎年金のみを請求する場合は、死亡時の加入区分により住所地の市区町村または年金事務所です。遺族厚生年金は年金事務所または街角の年金相談センター、寡婦年金・死亡一時金は住所地の市区町村、年金事務所または街角の年金相談センターで手続きできます。共済組合の加入歴・受給年金によっては共済組合への確認も必要です。
野田市・柏市・流山市・松戸市の管轄年金事務所は松戸年金事務所ですが、個人の年金相談は原則として全国の年金事務所で受け付けています。柏駅近くの街角の年金相談センター柏でも、年金請求の相談・手続きができます。
必要書類
- 制度ごとの年金請求書または国民年金死亡一時金請求書
- 亡くなった方と請求者の基礎年金番号が分かる書類
- 死亡後に交付された戸籍謄本等または利用できる場合の法定相続情報一覧図の写し
- 世帯全員の住民票、死亡者の住民票除票
- 請求者の所得証明書・課税証明書等
- 死亡診断書または死体検案書等の写し
- 請求者本人名義の通帳・キャッシュカード等
- 別居・事実婚の場合の生計維持・生計同一関係を示す申立書や送金資料等
- 第三者行為による死亡の場合の事故状況届、交通事故証明、確認書等
マイナンバーを請求書へ記載することで一部書類を省略できる場合があります。省略できる範囲、戸籍等の交付日要件、公金受取口座の利用可否は請求制度と個別事情で変わるため、予約時に必要書類一覧を確認してください。
費用
日本年金機構や市区町村への請求手数料はかかりません。戸籍、住民票、所得証明書、診断書等の取得費、郵送料、専門家へ代理や調査を依頼する場合の報酬は別途必要です。
手続き方法
基礎年金番号と加入記録、家族関係を整理し、ねんきんダイヤルまたは予約受付専用電話で相談予約をします。該当する給付と提出先を確認して書類をそろえ、控えを残して提出します。受給権・年金額の決定通知、選択申出の内容、追加提出資料は一緒に保管してください。
自分でできるか
一般的な同居家族のケースは、年金事務所や市役所の案内を受けながら自分で請求できます。ただし、加入記録を見ずにウェブの説明だけで対象外と決めたり、寡婦年金と死亡一時金を金額比較せず選択したりしないでください。
専門家に相談した方がよいケース
- 事実婚、別居、仕送りなど生計維持・生計同一の証明が難しい
- 加入記録に漏れや不一致がある
- 子の障害状態、年齢、婚姻状態の判定が必要
- 死亡一時金と子の遺族基礎年金の経過措置が関係する
- 労災、共済、自身の老齢年金との併給調整がある
- 不支給決定、時効、受給権者間の争いがある
まず年金事務所へ相談し、複雑な年金記録・請求代理は社会保険労務士、法律上の争いは弁護士等へ相談します。
注意点
- 自動支給ではない:死亡届や未支給年金とは別に該当給付を請求します。
- 相続順位と混同しない:各年金法上の対象者・順位で決まります。
- 死亡一時金は2年:遺族年金等の原則5年と混同しません。
- 寡婦年金との選択:両方に該当するときは一方を選びます。
- 2028年改正は未施行:2026年現在の要件へ前倒し適用しません。
- 問い合わせ番号:年金請求・死亡時の一般相談は0570-05-1165、来訪予約は0570-05-4890です。
よくある質問
子がいない配偶者は遺族基礎年金を受けられますか
遺族基礎年金は原則として子のある配偶者または子が対象です。厚生年金加入歴があれば遺族厚生年金、第1号被保険者期間があれば寡婦年金・死亡一時金も確認します。
相続放棄をすると遺族年金も受け取れませんか
遺族年金等は受給要件を満たす遺族自身の権利で、相続財産とは性質が異なります。相続放棄だけで当然に失うものではありません。
寡婦年金と死亡一時金は両方受け取れますか
両方に該当するときは一方を選択します。妻の年齢、寡婦年金の支給期間、夫の納付記録から見込額を年金事務所で確認して選びます。
2028年から全員の遺族厚生年金が5年で終わりますか
いいえ。既受給者、60歳以後に受給権が発生する方、一定年齢までの子を養育中の方、2028年度に40歳以上となる女性などは改正の影響を受けないと公表されています。有期給付後の継続給付もあります。
5年以内なら請求を待っても大丈夫ですか
待つべきではありません。過去の各支払期の時効や証明資料の確保が問題になるため、死亡後早めに相談・請求してください。死亡一時金は2年です。
関連する相続手続き
野田市・柏市・流山市・松戸市の管轄・問い合わせ先
4市の国民年金の管轄は松戸年金事務所です。ただし、遺族基礎年金のみ、寡婦年金、死亡一時金などは住所地の市役所でも受付できる場合があります。遺族厚生年金を含む場合は年金事務所等へ確認してください。
松戸年金事務所:〒270-8577 松戸市新松戸1-335-2。年金請求・死亡時の一般相談はねんきんダイヤル0570-05-1165、来訪予約は0570-05-4890。個人相談は原則全国の年金事務所で受付。管轄・電話番号の確認日:2026-08-27。
参考にした公式情報
- 日本年金機構「身近な方が亡くなったとき」
- 日本年金機構「遺族基礎年金」
- 日本年金機構「遺族厚生年金」
- 日本年金機構「寡婦年金」
- 日本年金機構「寡婦年金を受けるとき」
- 日本年金機構「死亡一時金」
- 日本年金機構「死亡一時金を受けるとき」
- 日本年金機構「年金の時効」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等」
- 厚生労働省「遺族厚生年金の見直し」
- 日本年金機構「千葉県内の年金事務所管轄区域」
- 日本年金機構「松戸年金事務所」
- 日本年金機構「街角の年金相談センター柏」
情報確認日:2026年9月12日
受給資格、加入記録、生計維持・生計同一、年金額、併給調整、2028年改正の適用は個別判断です。日本年金機構・共済組合等の最新案内と決定を優先してください。