日本のパスポートは名義人の死亡により失効します。旅券法上、死亡で失効した旅券は遅滞なく返納する対象で、国内では最寄りの都道府県の旅券申請窓口、国外では日本大使館・総領事館へ、故人の旅券と死亡が分かる戸籍謄本等を届けます。失効処理後も手元に残したい場合は、提出時に返却希望を伝えます。
パスポート返納の基本情報
- 項目
- 内容
- 効力
- 日本のパスポートは名義人の死亡により失効
- 期限
- 旅券法上は遅滞なく返納。具体的な日数の規定ではない
- 国内の窓口
- 最寄りの都道府県の旅券申請窓口(市町村の旅券窓口を含む)
- 国外の窓口
- 最寄りの日本大使館・総領事館などの在外公館
- 基本書類
- 故人のパスポート、死亡が分かる戸籍謄本等。届出人の本人確認書類も持参
- 返却希望
- 失効処理後に残したいときは、窓口へ渡す時点で申し出る
死亡で失効。記念に残すなら提出時に伝える
有効期限が残っていても、死亡した時点でパスポートは失効します。外務省Q&Aは、故人のパスポートと死亡の事実が分かる戸籍謄本等を、国内では最寄りの都道府県の申請窓口、国外では在外公館へ届けるよう案内しています。
埼玉県パスポートセンターは、希望があれば失効処理後に返却する一方、いったん返納した後からは返せないと案内しています。査証や出入国印を記録として残したい場合は、窓口へ渡す前に返却希望を伝えます。
亡くなった方のパスポート返納5STEP
- 1
遺品から日本のパスポートをすべて集め、冊数と有効期限を確認する
- 2
海外手続きで旅券番号・査証・出入国印の記録が必要か確認し、必要なら提出先が認める方法で控えを準備する
- 3
最寄りの旅券窓口または在外公館へ、受付場所、必要書類、期限切れ旅券の扱いを確認する
- 4
故人の旅券、死亡記載のある戸籍謄本等、届出人の本人確認書類を持参して失効手続きを依頼する
- 5
旅券を記念に残す場合は提出時に返却を希望し、消印・IC破壊等で無効化された旅券を受け取る
死亡後のパスポートはどうなるか
旅券法18条は、旅券の名義人が死亡したときに旅券が効力を失うと定めています。有効期限が残っていても、死亡後は渡航文書や本人確認書類として使用できません。遺品として第三者へ譲渡・販売することも避け、安全に保管して返納手続きを行います。
旅券法19条5項は、死亡により効力を失った旅券について、国内では都道府県知事または外務大臣、国外では領事官へ遅滞なく返納する旨を定めています。実際の提出先は、外務省が案内する国内の旅券申請窓口または在外公館です。
誰が手続きするか
故人のパスポートを保管している家族・遺族等が窓口へ届けます。外務省は死亡確認書類と故人の旅券を基本書類として案内し、埼玉県は届出人の本人確認書類も案内しています。窓口ごとに確認書類や申出書の有無が異なるため、来庁前に問い合わせます。
期限|「遅滞なく」とは
旅券法上の基準は「遅滞なく」です。「死亡後7日以内」のような全国一律の日数ではありませんが、正当な理由なく先延ばしにせず、死亡記載のある戸籍等を用意できたら早めに旅券窓口へ届けます。海外相続や査証関係で旅券情報が必要なときは、返納を放置せず、先に旅券窓口と提出先の双方へ相談します。
手続き先
外務省は、国内では最寄りの都道府県の申請窓口、国外では最寄りの在外公館へ届けるよう案内しています。千葉県内では県の旅券窓口に加え、旅券業務を扱う市町村窓口があります。市役所のおくやみコーナーではなく、パスポートを扱う窓口へ事前に確認するのが確実です。
必要書類
- 亡くなった方の日本のパスポート
- 死亡の事実が分かる戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)等
- 窓口へ届ける人のマイナンバーカード・運転免許証等の本人確認書類
- 窓口から指定された場合の申出書その他の書類
外務省が全国向けに明示しているのは、故人の旅券と死亡の事実が分かる戸籍謄本等です。届出人の本人確認書類や申出書は自治体の公式案内で求められる例があるため、持参物として準備します。死亡診断書、住民票除票、コピーの可否などは窓口ごとに確認してください。
期限切れのパスポート
有効期限が切れた旅券は、期限満了時点ですでに効力を失っています。神奈川県と埼玉県は、故人の旅券が期限切れの場合、死亡確認書類は不要と案内しています。ただし、これは各窓口の実務案内です。千葉県内で旅券だけを持参すればよいか、処分前に利用する窓口へ確認します。
失効処理後に返してもらえるか
旅券法19条6項には、返納を受けた旅券を消印して返す仕組みがあります。埼玉県は、故人の旅券も希望があれば失効処理後に返却すると案内しています。旅券法施行規則は、消印とICの破壊方法を定めています。いったん回収された後では返却できないことがあるため、必ず提出時に申し出ます。
パスポートが見つからない場合
名義人本人が行う通常の紛失届を、死亡後に家族がそのまま代理提出できるとは限りません。有効期限内の旅券が見つからない場合は、旅券番号、発行時期、最後に確認した場所が分かる資料を整理し、最寄りの旅券窓口へ死亡の事実と紛失状況を説明して指示を受けます。自己判断で故人名義のオンライン申請をしません。
返納前に控えを残す場合
外国の査証、海外口座、現地不動産、航空会社等の手続きで、旅券番号や査証面が必要になる場合があります。必要性と証明方法を提出先へ確認し、許される範囲で必要部分だけを控えます。外務省によるとICチップに出入国記録や海外渡航歴は記録されていません。個人情報を含む画像を不要にクラウドやメッセージへ共有しないでください。
費用
死亡による旅券の返納・失効処理について、外務省や自治体の案内に手数料の記載はなく、通常は無料です。戸籍謄本等の取得費、交通費、国外で必要となる翻訳・証明等の費用は別です。特殊な事情がある場合は在外公館等へ確認します。
自分でできるか
故人の旅券と死亡確認書類をそろえ、旅券窓口へ確認すれば、家族が対応できます。相続そのものの専門家への依頼が必須な手続きではありません。
専門家・窓口へ相談した方がよいケース
- 有効期限内と思われる日本旅券が見つからない
- 国外で死亡し、現地発行の死亡証明書しかない
- 海外資産・査証・在留資格の手続きで旅券情報が必要
- 複数の日本旅券、外国政府発行の旅券、帰国のための渡航書等がある
- 返却希望だが、消印される前に残すべき記録が分からない
日本旅券は国内の旅券窓口または在外公館、外国政府発行の旅券は発行国の大使館・領事館へ確認します。外国旅券を日本の窓口へ返納しないよう、表紙と発行国を確認してください。
注意点
- 死亡で失効:有効期限が残っていても使用できません。
- 遅滞なく返納:日数指定がなくても放置せず、準備でき次第届けます。
- 返却希望は先に:窓口へ渡した後では戻せないことがあります。
- 紛失は相談:故人に代わって通常の紛失届を自己判断で作成しません。
- 外国旅券は別:発行国の大使館・領事館の案内に従います。
よくある質問
死亡届を出せばパスポートの手続きも終わりますか
パスポート現物の返納は別に確認します。死亡で旅券の効力は失われますが、故人の旅券と死亡確認書類を旅券窓口へ届けます。
市役所のおくやみコーナーへ持参すればよいですか
パスポートを扱う旅券窓口へ確認してください。4市には専用窓口があり、通常の市民課やおくやみコーナーと場所が異なる市もあります。
期限切れでも死亡確認書類が必要ですか
不要と案内する自治体があります。千葉県内での持参物は、利用する旅券窓口へ事前に確認してください。
返納後も記念に残せますか
失効処理後に返却される場合があります。後からでは戻せないことがあるため、提出時に必ず希望を伝えます。
手続きに料金はかかりますか
返納・失効処理は通常無料です。戸籍等の取得費は別にかかります。
関連する相続手続き
野田市・柏市・流山市・松戸市のパスポート窓口
4市はいずれも市内に旅券窓口があります。死亡後の返納を受け付ける場所、持参物、受付時間を電話で確認してから来庁してください。
窓口・電話番号の確認日:2026-08-26。死亡後の返納は通常の申請・交付と受付方法が異なる場合があるため、必ず事前に電話確認してください。
参考にした公式情報
- 外務省「こんな時、パスポートQ&A」Q37
- e-Gov法令検索「旅券法」
- 埼玉県「パスポートQ&A」Q28
- 神奈川県「よくあるご質問(パスポートについて)」
- 千葉県「パスポート市町村窓口について」
- 野田市「市民課窓口でパスポートを交付」
- 柏市「旅券(パスポート)の申請・交付」
- 流山市「窓口における旅券申請のご案内」
- 松戸市「パスポートセンター窓口での申請」
情報確認日:2026年8月26日
この記事は日本のパスポートに関する一般的な案内です。必要書類、受付場所、失効処理後の返却可否は窓口や国外の在外公館で異なる場合があります。提出前に担当窓口の最新案内を確認してください。