相続手続き100チェックリスト No.74。個人年金保険は、年金開始前の死亡給付金と、受取中の残存年金・死亡一時金を分けます。確定年金か保証期間付終身年金か、後継年金受取人、保険料負担者も確認が必要です。請求権は行使できる時から原則3年。契約先の生命保険会社へ直ちに連絡します。
No.74 個人年金保険の死亡後に確認すること
- 状況
- 主な確認事項
- 年金開始前
- 死亡給付金の受取人・計算基準・必要書類
- 年金受取中
- 確定期間・保証期間と残存年金・死亡一時金
- 後継受取人
- 指定の有無、死亡順序、権利・義務の承継
- 請求時効
- 各請求権を行使できる時から原則3年
- 税金
- 受給権取得時と毎年の年金受取時を分ける
開始前の死亡給付金と、受取中の残存年金を分ける
死亡日、年金開始日、年金種類、保証期間、後継年金受取人を契約ごとに確認します。残りの年金を必ず全額相続できるわけではありません。
生命保険協会の年金種類と約款を照合し、保険法95条の原則3年を待たず、契約先へ直ちに連絡してください。
個人年金保険の死亡後手続き10STEP
- 1
保険証券、年金証書、支払通知、通帳履歴を集める
- 2
契約者・保険料負担者・被保険者・各受取人を確認する
- 3
死亡日と年金開始日を比べ、開始前か受取中かを分ける
- 4
確定年金・保証期間付年金など年金種類と残存期間を確認する
- 5
保険会社へ死亡を連絡し、死亡後の入金を報告する
- 6
死亡給付金、死亡一時金、年金承継のどれを請求するか確認する
- 7
後継年金受取人の指定と、未指定時の請求権者を確認する
- 8
請求書、死亡証明、戸籍、本人確認資料、口座情報をそろえる
- 9
3年の時効を待たず、選択内容を確認して提出する
- 10
受給権の相続税等と毎年の所得税資料を保存する
最初に死亡日と年金開始日を比べる
個人年金保険は、死亡が年金開始前か年金受取中かで請求内容が変わります。さらに、契約者、保険料負担者、被保険者、年金受取人、死亡給付金受取人、後継年金受取人が誰かを契約ごとに確認してください。
生命保険協会の公式解説では、個人年金保険の代表例として確定年金、保証期間付有期年金、保証期間付終身年金を示しています。商品名が似ていても、確定期間・保証期間・死亡給付金・一括受取の条件は約款で異なります。
年金開始前に被保険者が死亡した場合
一般的な個人年金保険では、年金開始前に被保険者が死亡すると、それまでに払い込んだ保険料程度の死亡給付金を、契約上の死亡給付金受取人が請求します。ただし、払込保険料全額、積立金全額、将来の年金総額が必ず支払われるという意味ではありません。死亡日、責任開始日、商品、特約、外貨・変額型かどうかによって金額が変わります。
保険会社へ証券番号、死亡日、死亡原因を連絡し、死亡給付金受取人、支払額の計算基準、必要書類を確認してください。
年金受取中に被保険者・年金受取人が死亡した場合
- 確定年金:確定期間中は被保険者の生死にかかわらず支払う設計が一般的で、残りの年金を後継年金受取人等が受け取る契約があります。
- 保証期間付終身年金:保証期間中は生死にかかわらず支払い、保証期間経過後は被保険者が生存している間だけ支払う設計です。
- 保証のない終身年金等:被保険者死亡で支払いが終了する商品があります。
日本生命の年金保険FAQでは、同社の対象契約について、年金受取期間中に年金受取人本人(被保険者)が死亡した場合、将来年金の現価相当額を死亡一時金として支払うと案内しています。一方、残りを年金で継続できるか、一括受取のみか、選択できるかは商品ごとに異なります。この例を他社契約へそのまま当てはめないでください。
後継年金受取人を確認する
日本生命は、後継年金受取人を、年金受取人が死亡した場合に年金受取人の権利・義務を引き継ぐ人と説明しています。明治安田も、年金受給中に年金受取人が死亡した場合、その後の未払年金を引き継ぐ人と説明しています。
後継年金受取人の指定がない、指定者が先に死亡している、相続人が複数いる場合の扱いは約款で異なります。死亡順序と戸籍を整理し、保険会社へ請求権者と受取割合を確認してください。
死亡後に入金された年金は使わない
日本生命の公式案内は、被保険者または年金受取人が死亡した場合に直ちに連絡するよう求め、死亡後の支払額を死亡一時金等から控除または返還扱いとする契約があることを案内しています。死亡後の入金をそのまま使用せず、入金日・金額を記録して契約先へ連絡してください。
請求期限は原則3年
保険法95条は、保険給付を請求する権利を、行使できる時から3年間行使しないときは時効により消滅すると定めています。死亡給付金、死亡一時金、各年金支払分では、権利を行使できる時点が同一とは限りません。「死亡日からすべて一律3年」と決めつけず、死亡判明後すぐ保険会社へ請求意思を伝えます。
必要書類
- 保険会社所定の死亡給付金・死亡一時金・年金承継の請求書
- 保険証券、年金証書、契約内容通知、年金支払通知
- 死亡診断書、死体検案書、死亡記載の戸籍等
- 故人と請求者・後継年金受取人の関係が分かる戸籍
- 請求者の本人確認書類
- 振込口座が分かる資料
- 年金継続・一括受取の選択書類
- 契約者死亡の場合の遺言・遺産分割関係書類
原本・コピーの別、有効期限、診断書の省略可否、マイナンバーの提出要否は契約と請求内容で変わります。案内前に取得し過ぎないようにしてください。
契約者だけが死亡し、年金開始前の場合
被保険者が生存し、まだ年金支払事由が発生していない契約は、契約上の権利を誰が取得するかを遺言・遺産分割・約款で確認して契約者変更を行います。国税庁は、保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利を、原則として相続開始時の解約返戻金額で評価するとしています。前納保険料・配当等の加算や源泉税相当額の控除がある場合もあります。
税金は受給権取得時と毎年の受取時を分ける
国税庁「遺族の方が支払を受ける個人年金」では、死亡した被保険者・年金受取人が保険料負担者だった場合、遺族が取得する年金受給権は相続税の対象です。死亡した人と年金受給権の取得者のどちらも保険料負担者でない場合は、贈与税の対象となる場合があります。
国税庁は、保険料負担者・被保険者・年金受取人が同一で、保証期間内の死亡により遺族が残りの年金を取得する場合、その年金受給権が相続税の対象になると説明しています。評価は相続税法24条・25条に基づき、解約返戻金相当額等で行います。
さらに、相続・贈与で受給権を取得した人が毎年年金を受け取る場合、年金収入を非課税部分と課税部分に分けて雑所得を計算します。相続税等が実際に発生しなかった場合でも、この所得税計算の対象となることがあります。保険会社の年金支払証明書を保存してください。
契約先が分からない場合
証券、年金支払通知、生命保険料控除証明書、確定申告書、通帳の入金名義を調べます。生命保険協会の生命保険契約照会制度は、照会受付日現在の有効な個人保険契約を対象としますが、支払が開始した年金保険は対象外です。受取中の年金は、照会制度に頼らず入金履歴や税務資料から探してください。
費用
保険会社への給付請求・年金承継手続きの手数料は契約先へ確認します。戸籍・証明書の交付手数料、診断書料、郵送費が主な実費です。一括受取を選べる場合、将来の年金合計額と一括額は一致しないことがあります。税務計算や相続人間の調整を専門家へ依頼する場合は別途報酬がかかります。
野田市・柏市・流山市・松戸市の管轄・問い合わせ先
個人年金保険に住所地別の市役所管轄はありません。年金開始前の死亡給付金、受取中の残存年金、後継年金受取人の手続きは、すべて契約している生命保険会社へ確認します。市のおくやみ窓口は市役所内の死亡後手続きの案内先であり、個人年金の支払判断は行いません。
契約先が不明な場合は証券、年金支払通知、確定申告資料、通帳の入金履歴を確認してください。支払開始済み年金は生命保険契約照会制度の対象外です。市窓口・電話番号の確認日:2026-09-05。
自分でできるか
契約先、死亡時期、年金種類、後継年金受取人が明確なら、保険会社の案内に沿って遺族自身で請求できます。一括受取と年金継続を選べる場合は、受取額、時期、税金、選択後の変更可否を書面で比較してください。
専門家に相談した方がよいケース
- 後継年金受取人が未指定、先に死亡、または複数の相続人がいる
- 契約者・保険料負担者・被保険者・受取人が異なる
- 外貨建て・変額年金で評価額や為替損益が問題になる
- 一括受取と年金継続の税務比較が必要
- 相続放棄、遺言、未成年者、成年被後見人が関係する
- 3年の時効が迫る、または支払内容に争いがある
注意点
- 開始前と受取中を分ける:死亡給付金と残存年金・死亡一時金は別の請求です。
- 確定期間と保証期間を混同しない:保証期間経過後の終身年金は死亡で終了する場合があります。
- 死亡後の入金を使わない:返還・控除の要否を契約先へ確認します。
- 照会制度の対象外に注意:支払開始済み年金は制度では見つかりません。
- 税金を二段階で確認:受給権取得時の相続税・贈与税と、毎年受取時の所得税を分けます。
- 商品例を一般化しない:一括・継続・支払終了の条件は約款で確認します。
よくある質問
死亡すると残りの年金を必ず受け取れますか
必ずではありません。確定年金か、保証期間付か、保証期間が残っているか、後継年金受取人の指定、約款によって変わります。
残りの年金は一括と年金継続を自由に選べますか
契約に選択肢がある場合に限ります。一括額は将来年金の単純合計と異なることがあるため、両方の試算と税務資料を契約先から取り寄せます。
個人年金の請求も3年以内ですか
保険給付請求権は、行使できる時から原則3年で時効となります。ただし、死亡給付金と各年金支払分で起算点が異なる可能性があるため、死亡後すぐ契約先へ確認してください。
相続税を払えば、その後の年金に所得税はかかりませんか
一律に非課税ではありません。年金受給権が相続税等の対象になった後も、毎年の年金は非課税部分と課税部分に分けて雑所得を計算します。
生命保険契約照会制度で受取中の年金を探せますか
支払開始済み年金は対象外です。通帳の入金履歴、年金支払通知、確定申告資料を調べ、判明した保険会社へ直接連絡してください。
関連する相続手続き
参考にした公式情報
- e-Gov法令検索「保険法」
- 生命保険協会「主な個人保険商品の種類」
- 生命保険協会「生命保険契約照会制度」
- 日本生命「年金保険についてのよくある質問」
- 日本生命「後継年金受取人とは」
- 日本生命「年金支払時生存確認省略について」
- 明治安田「後継年金受取人とは」
- 国税庁「遺族の方が支払を受ける個人年金」
- 国税庁「相続等により取得した年金の課税関係」
- 国税庁「相続税等の課税対象になる年金受給権」
- 国税庁「生命保険契約に関する権利の評価」
- 野田市「おくやみコーナー」
- 柏市「ご遺族支援コーナー」
- 流山市「おくやみ相談窓口」
- 松戸市「お悔やみ」
情報確認日:2026年9月5日
年金種類、死亡時期、保証期間、後継年金受取人、保険料負担者、受取方法により結論が変わります。請求前に契約先の約款・最新案内と、必要に応じて税務署・専門家へ確認してください。