暮らし・契約の整理

デジタル遺品の整理|スマホ・クラウド・暗号資産の確認手順

期限
一律の期限なし/相続放棄・申告期限と価格変動に注意
手続き先
各サービス運営会社・金融機関(市役所ではありません)

相続手続き100チェックリスト No.45。デジタル遺品は、端末を初期化せず、資産・債務・契約・データ・認証手段に分けて確認します。故人名義でログイン、売買、送金をせず、Apple・Google・暗号資産交換業者・証券会社等の公式な故人・相続手続きを利用します。4市とも市役所は窓口ではありません。

No.45 デジタル遺品の分類

分類
主な確認対象
金融資産・債務
暗号資産、FX、ネット証券、銀行、決済残高、後払い
有料契約
クラウド、アプリ、動画、ゲーム、ドメイン、サーバー
データ
写真、メール、連絡先、文書、バックアップ、制作物
交流・発信
SNS、ブログ、コミュニティ、事業アカウント
認証手段
電話番号、メール、認証アプリ、セキュリティキー

初期化・ログイン・送金を急がない

端末と手掛かりを保全し、各社の公式な故人・相続手続きを使います。Appleはロック端末のパスコード解除を消去なしには支援できないと案内し、Googleは故人のパスワード等を提供しないと明記しています。

暗号資産・FX等は相続人が故人名義で操作せず、交換業者・金融機関へ連絡します。市役所ではなく、実際のサービス提供会社が手続き先です。

デジタル遺品を整理する9STEP

1

スマホ・PC・外付け媒体を初期化せず、安全な場所で保管する

2

請求書・カード・口座・税務資料からサービスを洗い出す

3

資産・債務・契約・データ・認証手段に分類する

4

相続放棄と申告期限を確認し、売買・送金・処分を控える

5

Apple・Google等の公式な故人アカウント手続きを確認する

6

暗号資産交換業者・証券会社へ死亡と相続を連絡する

7

残高・取引履歴・死亡日評価に必要な資料を確保する

8

遺産分割後に会社所定の移管・換価・閉鎖を行う

9

完了記録を残した後に、端末・データ・SNSの整理を行う

誰が必要か

亡くなった方がスマートフォン、パソコン、クラウド、メール、SNS、暗号資産、ネット証券、FX、ネット銀行、決済アプリ、ドメイン等を利用していた場合に、相続人または遺言執行者が確認します。デジタル遺品には、財産だけでなく、料金が続く契約、借入れ、認証手段、思い出のデータ、事業情報も含まれます。

期限

デジタル遺品の整理自体に全国一律の法定期限は確認できません。ただし、相続放棄は原則として自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内、準確定申告は相続開始を知った日の翌日から4か月以内、相続税の申告が必要な場合は同日の翌日から10か月以内です。

暗号資産やFXは価格が動き、サブスク・サーバー等は課金が続きます。まず存在と残高・契約を確認し、売却・送金・初期化は急がず、期限のある相続・税務手続きに必要な記録を確保します。

デジタル遺品とは

分類 例
金融資産・債務 暗号資産、FX、ネット証券、ネット銀行、決済残高、後払い
有料契約 クラウド、アプリ、動画、ゲーム、ドメイン、サーバー
データ 写真、メール、連絡先、文書、バックアップ、制作物
交流・発信 SNS、ブログ、コミュニティ、事業アカウント
認証手段 電話番号、メール、認証アプリ、セキュリティキー

「端末を持っている」「パスワードを知っている」ことと、データを見る権限、アカウント契約、財産の所有権は同じではありません。サービス規約、故人や第三者のプライバシー、相続人全員の権利を分けて考えます。

最初に端末と手掛かりを保全

  • スマホ・PC・外付け媒体を初期化、売却、譲渡しない
  • パスコードを何度も試さず、端末・SIM・充電器を一緒に保管する
  • カード・口座明細、請求書、契約書、税務資料からサービス名を洗い出す
  • 登録メール、ユーザーID、口座番号、ウォレット名等の手掛かりだけを一覧化する
  • 残高・契約の照会は各社の故人・相続専用手続きで行う

故人の認証情報を使ったログイン、売買、送金、データ閲覧を自己判断で行わないでください。相続放棄を検討している場合は、財産処分と評価される可能性のある行為を避け、先に専門家へ相談します。

Appleのデータと端末

Appleの故人アカウント管理連絡先は、故人が生前に指定した連絡先が、アクセスキーと死亡確認書類を使って一定のデータへのアクセスを申請する仕組みです。日本では死亡の記載がある戸籍謄本が必要と案内されています。

対象には写真、メッセージ、メモ、ファイル、デバイスのバックアップ等が含まれます。一方、故人が購入した映画・音楽・ブック・サブスクリプションや、iCloudキーチェーン内の支払情報、パスワード、パスキー等はアクセス対象外です。

アクセスキーがない場合は、Appleの故人アカウントへのアクセス案内に従い、必要な法的書類を提出して審査を受けます。Appleは、パスコードでロックされた端末は、端末を消去しない限りパスコード解除を支援できないと案内しています。データを確保する可能性を検討する前に、端末の消去・復元をしないでください。

Googleアカウント

Googleの故人アカウント窓口では、「アカウントを閉鎖」「資金を取得」「データを取得」から目的を選んで申請します。Googleは慎重な審査のうえ対応し、適切と判断した場合にはアカウント閉鎖やコンテンツ提供を行うことがありますが、パスワードその他のログイン情報は提供しないと明記しています。

写真やメール等の取得を希望する場合は、閉鎖を先行させず、保存したいデータと削除したいアカウントを家族で整理してから申請します。故人が生前にアカウント無効化管理ツールを設定していたかも確認します。

暗号資産交換業者の口座

交換業者のメール、アプリ、銀行の入出金、確定申告資料から口座を特定し、相続専用窓口へ連絡します。故人のアカウントへログインして売却・送金せず、事業者所定の凍結、残高確認、移管手続きを利用します。

bitFlyerの相続手続きでは、代表相続人が問い合わせフォームから連絡し、同社の確認完了後に故人口座を凍結します。問い合わせた時点では取引・入出金は停止されません。

必要書類の例は、発行後3か月以内の法定相続情報一覧図、相続人全員の発行後6か月以内の印鑑証明書、同社所定の相続届兼委任状です。内容と代表相続人のbitFlyer口座の本人確認後、日本円と暗号資産をそれぞれそのまま代表相続人口座へ移管し、故人口座を閉鎖すると案内されています。暗号資産を日本円へ換価してから移す取扱いではありません。

提出書類は原則返却されません。遺言書・遺産分割協議書等、原本が一部しかない書類の返却を希望するときは、切手付き返送用封筒を同封する取扱いを事前案内で確認します。

自己管理ウォレット

取引所を介さず、秘密鍵やリカバリーフレーズで管理するウォレットは、鍵そのものが資産を動かす直接的な手段です。見つけても写真共有、クラウド保存、オンライン入力、テスト送金をせず、オフラインで厳重に保全します。

鍵を誰が保持するか、遺産分割前に動かしてよいか、死亡日評価と取得履歴をどう確認するかを整理します。復旧サービスを装う詐欺にも注意し、暗号資産と相続に対応できる弁護士・税理士等へ相談してください。

暗号資産の税務

国税庁の暗号資産FAQは、暗号資産を相続・遺贈で取得した場合は相続税の課税対象となり得ると案内しています。活発な市場がある暗号資産は、原則として相続人等が取引する暗号資産交換業者が公表する課税時期の取引価格等を基に評価します。

死亡日残高、銘柄・数量、交換業者、取引履歴、取得価額資料を保存します。その後に売却・交換すると所得税の計算が関係するため、価格だけでなく履歴も確保してください。

FX・ネット証券

建玉は価格変動が続くことがあるため、口座の存在を確認したら証券・FX会社の相続窓口へ早めに連絡します。故人名義でログインして相続人が決済するのではなく、会社の規程に基づく処理を確認します。

SBI証券の相続案内は、信用取引、先物・オプション取引、外国為替保証金取引の建玉を相続人口座へ移管できず、故人口座で同社規程等に従い反対売買等により決済するとしています。会社ごとに手続きや対象商品が異なるため、実際の取引会社の案内を優先します。

SNS・メール・ブログ・事業アカウント

SNS等は「追悼・保存・削除・事業上の引継ぎ」を分けて判断します。メッセージには第三者のプライバシーが含まれます。故人になりすまして投稿せず、各社の故人向け公式手続きを利用してください。

ドメイン、レンタルサーバー、ブログ、ネットショップに収益、顧客情報、著作物がある場合は事業資産として扱います。自動更新を止める前に、サイト停止、メール停止、売上入金、個人情報保護への影響を確認します。

必要書類・情報

  • 死亡の記載がある戸籍、死亡証明書等
  • 相続人・代表相続人との関係が分かる戸籍、法定相続情報一覧図
  • 遺言書、遺産分割協議書、委任状
  • 相続人の本人確認書類・印鑑証明書
  • 故人の登録メール、ユーザーID、口座番号、取引記録
  • 会社所定の相続届・申請書

必要書類と有効期限は会社・資産・相続人構成で異なります。原本が1通しかない書類は返却可否を確認してから提出します。

費用

  • 戸籍、法定相続情報、印鑑証明書等の取得費
  • 郵送・返送用封筒・翻訳等の費用
  • 端末解析、データ保全、専門家への相談費用
  • 暗号資産の移管・換価、証券取引等に伴う手数料
  • 相続税・所得税等の申告や納税

アカウントへの申請が無料でも、書類取得、専門対応、移管、税務に費用が生じる場合があります。先に見積りと作業範囲を確認します。

相続放棄を検討している場合

暗号資産等の売却・送金、故人名義口座の取引、データや端末の処分を急がないでください。財産の調査と保全にとどめ、処分に当たる可能性のある操作は避けます。3か月以内に判断資料がそろわない場合は、家庭裁判所の期間伸長の申立ても含め、早めに専門家へ相談します。

野田市・柏市・流山市・松戸市の管轄・問い合わせ先

4市とも、スマホ、クラウド、SNS、暗号資産、ネット証券等の相続・データ取得・アカウント閉鎖は市役所の管轄ではありません。請求書、カード・口座明細、登録メール、アプリ名からサービスを特定し、各社の公式窓口へ連絡してください。

野田市

各サービス運営会社・金融機関・端末メーカー

住所地による管轄はありません。故人が利用していた実際のサービス提供会社へ、故人・相続専用の方法で申請します。

柏市

各サービス運営会社・金融機関・端末メーカー

住所地による管轄はありません。故人が利用していた実際のサービス提供会社へ、故人・相続専用の方法で申請します。

流山市

各サービス運営会社・金融機関・端末メーカー

住所地による管轄はありません。故人が利用していた実際のサービス提供会社へ、故人・相続専用の方法で申請します。

松戸市

各サービス運営会社・金融機関・端末メーカー

住所地による管轄はありません。故人が利用していた実際のサービス提供会社へ、故人・相続専用の方法で申請します。

問い合わせ先の確認日:2026年8月28日。受付方法・必要書類は変わるため、各社の最新公式案内をご確認ください。

自分でできるか

請求明細等からサービスを洗い出し、各社の公式窓口へ連絡する作業は家族でもできます。「サービス名・分類・IDの手掛かり・課金・残高・連絡日・必要書類・完了日」を一覧にすると漏れを防げます。

専門家に相談した方がよいケース

  • 秘密鍵・リカバリーフレーズを発見した
  • FX、信用取引、先物等の建玉が残っている
  • ロック端末内にしかない重要データがある
  • 相続放棄を検討中で、資産を動かしてよいか判断できない
  • 暗号資産の取得履歴・死亡日評価・税計算が分からない
  • 顧客情報、事業用サーバー、海外サービスが関係する

注意点

  • 端末を初期化しない:Appleは、ロック端末のパスコード解除は消去なしには支援できないと案内しています。
  • 無断ログインしない:パスワードを知っていても、各社の故人・相続手続きを使います。
  • 売買・送金しない:遺産分割、相続放棄、税務への影響を先に確認します。
  • 秘密情報を共有しない:秘密鍵、復旧フレーズ、認証コードを厳重に保管します。
  • 閉鎖を急がない:必要なデータ・取引履歴・残高資料を確保する方針を先に決めます。
  • 市役所へ持ち込まない:実際の契約会社・金融機関が手続き先です。

よくある質問

故人のパスワードが分かればログインしてよいですか

一律に安全とはいえません。利用規約、第三者のプライバシー、相続放棄への影響があるため、各社の故人・相続専用窓口を利用してください。

ロックされたiPhoneをAppleが開けてくれますか

Appleは、パスコードでロックされた端末はパスコード暗号化で保護され、端末を消去しない限りパスコード解除を支援できないと案内しています。消去前に、故人アカウント管理連絡先や法的書類によるクラウドデータの申請可否を確認します。

Googleから故人のパスワードを教えてもらえますか

Googleはパスワードや他のログイン情報を提供しないと明記しています。閉鎖、資金、データ取得のうち目的に合う申請を行います。

暗号資産は相続できますか

相続財産となり得ます。交換業者の口座は所定の相続手続きを行い、自己管理ウォレットは鍵を安全に保全したうえで、遺産分割と税務を整理します。

市役所でスマホやSNSの相続手続きができますか

できません。野田市・柏市・流山市・松戸市とも、各サービス運営会社、金融機関、端末メーカーが窓口です。

関連する相続手続き

参考にした公式情報

情報確認日:2026年9月12日

サービス仕様、必要書類、受付方法、税務上の取扱いは変わります。各社の最新公式案内と、必要に応じて弁護士・司法書士・税理士等の確認を優先してください。