相続手続き100チェックリスト No.48。故人のSuica・PASMOは家族が使わず、カード型・モバイル型、記名・無記名、定期券、一体型を分けます。残高・定期券・デポジット・発行会社を確認し、カード発行会社、定期券発売事業者、モバイル公式サポートへ死亡を連絡します。住所地や利用駅だけでは窓口を決められません。
死亡後のSuica・PASMO|残高・定期券の払戻し
- 期限
- 全国一律の法定期限なし/定期券は払戻額が下がるため早めに確認
- 手続き先
- カード発行会社・定期券発売事業者・モバイル公式サポート
No.48 最初に確認する5項目
- 確認項目
- 確認する内容
- 媒体
- カード、スマホ、Apple Watch、一体型
- 名義
- 無記名、記名、本人限定、会員登録
- 金額
- SF残高、定期券、デポジット、購入済み券
- 発行元
- カード裏面の発行会社、モバイルサービス
- 発売元
- 定期券を購入した鉄道・バス事業者
使った駅ではなく発行元を確認
交通系ICは全国で使えても、払戻し窓口は発行会社ごとに違います。JR東日本発行Suica、PASMO、他社Suica、ICOCA等を分け、定期券は購入した事業者も確認します。
記名式を家族が使ったり名義変更したりせず、死亡時の必要書類を窓口へ事前確認します。野田市・柏市・流山市・松戸市とも、住所地では管轄が決まりません。
交通系ICを整理する9STEP
- 1
財布・スマホ・Apple Watchから交通系ICを探す
- 2
カード型・モバイル型、記名・無記名を確認する
- 3
SF残高、定期券、デポジット、一体型機能を記録する
- 4
カード発行会社と定期券発売事業者を特定する
- 5
相続放棄を検討中なら使用・返金を進めず相談する
- 6
発行会社・モバイルサポートへ死亡を連絡する
- 7
案内された死亡・相続・本人確認書類を提出する
- 8
手数料、返金先、カード回収、定期券計算を確認する
- 9
クレジット・オートチャージも処理し完了記録を残す
誰が必要か
亡くなった方がSuica、PASMO等の交通系ICカード、モバイルSuica、モバイルPASMO、Apple Payの交通系IC、IC定期券を利用していた場合に、相続人または遺言執行者が確認します。財布だけでなく、スマートフォン、Apple Watch、クレジット一体型カード、通勤・通学定期券も調べます。
期限
死亡後何日以内という全国一律の法定期限は確認できません。ただし、定期券は経過日数・経過月数で払戻額が下がり、残り期間によっては返金がありません。見つけたら早めに発行会社・発売事業者へ確認します。
SuicaとPASMOはいずれも、最後の所定利用等から10年間取扱いがない場合の失効規定があります。ただし、JR東日本は10年間未使用のSuicaについて交換または払戻しを案内している一方、PASMO取扱規則は10年間取扱いがないと失効し、特に認めた場合を除きデポジット・金銭的価値等の返却を請求できないと定めています。両者を同じ扱いと考えないでください。
相続放棄を検討している場合は原則3か月の期間にも注意し、故人の記名式カードを家族が使ったり、自己判断で返金を受けたりする前に専門家へ相談します。
最初にカードの種類を確認
| 種類 | 確認する内容 |
|---|---|
| 無記名カード | 発行会社、SF残高、デポジット、利用・入場記録 |
| 記名カード | 記名人、登録情報、死亡・相続時の必要書類 |
| 定期券 | 発売事業者、区間、有効期限、購入方法、経過期間 |
| モバイル型 | Suica・PASMO、端末、会員登録、返金先、サポート |
| 一体型 | IC機能、クレジット契約、オートチャージ、デポジット |
「その駅で使えたカード」と「その駅で払い戻せるカード」は同じではありません。カード裏面のロゴ・番号、定期券券面、アプリ名、購入メールから発行会社・発売事業者を特定します。
記名式は家族が使わない
記名Suica・記名PASMO・IC定期券は記名人本人の利用が前提です。家族が故人のカードをそのまま改札や買物で使ったり、名義変更して引き継いだりしないでください。
通常のカード払戻し案内では、記名式は公的証明書が必要で、代理人には本人の委任状を求める取扱いがあります。死亡時は本人の通常手続きとは異なるため、戸籍等を持参する前に、発行会社へ「記名人が死亡した相続手続き」と明示して必要書類を確認します。
カード型Suicaの払戻し
JR東日本のSuica払戻し案内では、JR東日本発行のSuicaはSuicaエリア内のJR東日本の駅のみどりの窓口等で払い戻し、JR東日本以外の駅・バス営業所では払い戻せないとしています。他社発行のモノレールSuica、りんかいSuica、PASMO、ICOCA等もJR東日本では払い戻せません。
My Suica(記名式)・Suicaカード等をカードごと返却する通常の計算は、チャージ残額から手数料220円を差し引き、デポジット500円を加える方法です。残額が220円以下なら残額部分の返金はなく、デポジット500円のみです。定期券付きは定期券部分の払戻額も加えて計算します。
Suica定期券・My Suicaの通常払戻しには公的証明書が必要です。死亡時に追加される死亡・相続関係書類と、返金を受けられる人をJR東日本へ事前確認します。
モバイルSuicaの死亡時手続き
モバイルデバイスにおけるSuica利用規約第21条は、会員が死亡した場合はその時点で退会したものとみなし、法定相続人がJR東日本所定の手続きで払戻しを請求したときに退会手続きを行うと明記しています。
家族が故人のアプリから本人として退会せず、モバイルSuicaサポートへ法定相続人として連絡します。端末初期化、Apple Account・Googleアカウント削除、携帯回線解約を先行すると、端末情報・購入履歴・登録メールの確認が難しくなるため、手続き方針が決まるまで端末を保全します。
定期券の通常払戻しは購入時のクレジットカード口座へ返金し、返金できない場合は本人名義の国内金融機関口座等へ返す取扱いがあります。死亡時の返金先は通常操作と同じとは限らないため、法定相続人向け手続きの案内を優先します。
カード型PASMOの払戻し
PASMOの払戻し案内では、記名PASMO・無記名PASMOをカードごと返却する通常の計算は、SF残額から手数料220円を差し引き、デポジット500円を加える方法です。SF残額が手数料以下の場合は、その残額が手数料となります。カードは回収され、SF残額だけを残して払い戻すことはできません。
一体型PASMOはカードの回収とデポジット返却がなく、PASMO機能を払い戻した後にクレジットカード会社への申出も必要です。PASMO定期券は、その定期券を購入した鉄道・バス事業者へ申し出ます。鉄道とバスの定期券が両方入っている場合は、それぞれの手数料が必要になることがあります。
モバイルPASMO・Apple PayのPASMO
モバイルPASMO等の会員規約第7条は、会員が死亡した場合はその時点で退会したものとみなし、退会に伴う手続きを株式会社パスモが行うと定めています。相続人が故人のパスワードで通常退会せず、モバイルPASMOサポートへ死亡を連絡します。
公式の払戻し・返金手数料案内では、SFだけを退会時に返金する通常手数料は210円です。定期券は購入時のクレジットカード口座、SFは退会時に指定した金融機関口座へ返金する取扱いですが、死亡時は会社が行う手続きと必要書類を優先してください。
定期券は早めに発売事業者へ
定期券の払戻額は、使用開始前か後か、使用開始から7日以内か、残りの有効期間、発売事業者の規則で変わります。一般に経過した月数を差し引くため、日数が進むと返金額が下がり、残り1か月未満等では返金が生じない場合があります。
東武鉄道は、定期券払戻しを月単位で扱い、使用開始から7日以内の特例計算と手数料220円を案内しています。つくばエクスプレスを含め、購入した事業者、購入時のクレジットカード、本人確認・相続関係書類を確認してから窓口へ行きます。
オートチャージ・クレジット一体型
ICカードの払戻しだけで、クレジットカード契約やオートチャージ設定が終了するとは限りません。ビューカード、私鉄系カード、一体型PASMO等は、交通系ICとクレジット契約を分けて手続きします。
- カード会社へ死亡を連絡し、本カード・家族カード・ETCも確認する
- オートチャージの利用停止と未確定利用を確認する
- 定期券の購入に使ったクレジットカードを特定する
- JRE POINT等は交通系IC残高とは別規約として確認する
カード機能の整理には死亡後のクレジットカード解約と継続決済の確認、PayPay・WAON・楽天Edyなども見つかった場合は交通系IC以外の電子マネーの相続手続きを参照してください。
必要書類・情報
- 対象のカード現物、端末、会員番号・カード番号
- 死亡の記載がある戸籍、死亡証明書等
- 申出人の本人確認書類
- 故人と相続人の関係が分かる戸籍、法定相続情報一覧図等
- 遺言書、遺産分割協議書、委任状等(必要な場合)
- 定期券の区間・有効期限・購入事業者・購入方法
- 返金先口座、購入時のクレジットカード情報
公式サイトに死亡時の書類一式を公開していない事業者もあります。通常の本人・代理人手続きの書類だけを持参せず、死亡時の申出人と相続関係を説明してから案内を受けます。
費用
- カード型Suicaの通常払戻し手数料:220円
- カード型PASMOの通常払戻し手数料:220円
- モバイルPASMOのSFのみの通常返金手数料:210円
- 定期券の払戻し手数料:発売事業者の規則による
- 戸籍等の取得費、交通費、郵送料
上記は通常の払戻し案内です。死亡時の計算、返金方法、追加費用は発行会社・発売事業者へ確認してください。
野田市・柏市・流山市・松戸市の管轄・問い合わせ先
4市とも住所地で窓口は決まりません。カード裏面の発行会社、定期券を発売した鉄道・バス事業者、またはモバイルSuica・モバイルPASMOの公式サポートが手続き先です。利用できる駅ではなく、発行元を確認してください。
流山市
つくばエクスプレス・東武鉄道等の実際の発行会社
TXのPASMO定期券は発売事業者へ。流鉄流山線はSuica・PASMOを利用できないため、流鉄発行のICカードはありません。
窓口情報の確認日:2026年8月29日。死亡時の必要書類・取扱駅・受付時間は、来店前に実際の発行会社へご確認ください。
自分でできるか
カードの種類、発行会社、定期券発売事業者を特定できれば、相続人が窓口へ連絡できます。「媒体・記名・残高・定期券・発行元・発売元・一体型・連絡日・返金額・完了日」を一覧にすると漏れを防げます。
専門家に相談した方がよいケース
- 相続放棄を検討している
- 高額な定期券・残高がある
- 相続人間で返金の受取人が決まっていない
- 事業用・法人用の交通費精算や勤務先貸与カードがある
- 故人の端末にアクセスできず、他のデジタル資産もある
- カードを紛失し、番号・発行元を特定できない
注意点
- 記名式を使わない:家族が故人名義のカードを利用・譲受しません。
- 発行元を確認:使えた駅ではなく、カード発行会社・定期券発売事業者へ申し出ます。
- 端末を初期化しない:モバイル版の会員・購入情報を保全します。
- 定期券を早く確認:経過期間で払戻額が変わります。
- カード回収を確認:通常のカード払戻しではカードが回収されます。
- 一体型は二つの手続き:IC機能とクレジット契約を分けます。
- SuicaとPASMOの10年後を混同しない:公式取扱いが異なります。
よくある質問
故人の記名Suica・PASMOを家族が使えますか
使わないでください。記名人本人の利用が前提です。発行会社へ死亡時の払戻し手続きを申し出ます。
近くの駅ならどこでも払い戻せますか
いいえ。JR東日本発行SuicaはJR東日本の所定窓口、PASMOはPASMO取扱事業者、定期券は購入した事業者が基本です。他エリアのICカードは取り扱えない場合があります。
カードを形見として残せますか
通常のカード払戻しではカードが回収されます。返金とカード保管を両立できるとは限らないため、手続き前に発行会社へ相談してください。
10年以上前のカードは返金できませんか
SuicaはJR東日本が交換・払戻しを案内していますが、PASMO規則は失効後の返却請求を原則認めない内容です。カードの種類と発行元を確認してください。
流鉄流山線のICカードはどこへ返しますか
流山市の公式案内では流鉄流山線はSuica・PASMO等を利用できません。流鉄が発行したSuica・PASMOはないため、手元のICカードに記載された別の発行会社へ申し出ます。
関連する相続手続き
参考にした公式情報
- JR東日本「Suicaの払いもどし」
- JR東日本「モバイルデバイスにおけるSuica利用規約」
- JR東日本「ICカード乗車券取扱規則」
- JR東日本「長期間利用していないSuica」
- PASMO「PASMOの払いもどし」
- PASMO「モバイルPASMO及びApple PayのPASMO会員規約」
- PASMO「払いもどし・返金手数料」
- PASMO「PASMO取扱規則」
- 東武鉄道「定期券の払いもどし」
- つくばエクスプレス「PASMO」
- 京成電鉄「PASMOのご案内」
- 流山市「流鉄株式会社」
- 裁判所「相続の放棄の申述」
情報確認日:2026年9月12日
取扱駅、必要書類、手数料、返金先、定期券計算は変更されます。実際のカード発行会社・定期券発売事業者の最新公式案内を優先してください。