税金・事業の手続き

準確定申告|4か月の期限・必要書類・e-Taxと4市の税務署

期限
相続開始を知った日の翌日から4か月以内
申告先
故人の死亡当時の納税地を所轄する税務署

相続手続き100チェックリスト No.88。準確定申告は、故人に所得税の申告義務がある場合に、相続人・包括受遺者が代わって行う手続きです。原則4か月以内で、1月から通常の確定申告期限までに亡くなった場合は前年分も対象になり得ます。複数相続人、e-Tax、医療費、相続税との連携まで確認します。

No.88 準確定申告の期限・申告者・提出先

確認項目
要点
申告者
相続人・包括受遺者
対象期間
原則、死亡年の1月1日から死亡日まで
期限
相続開始を知った日の翌日から4か月以内
提出先
故人の死亡当時の納税地を所轄する税務署
提出方法
e-Tax・郵送・税務署窓口
相続税との関係
納付税は債務/還付金は相続財産を検討

4か月・前年分・e-Tax付表の3点を最初に確認

準確定申告は相続税申告とは別で、原則4か月以内です。国税庁は、1月1日から通常の申告期限までに前年分を未提出のまま死亡した場合、前年分と死亡年分の両方を4か月以内としています。

e-Taxでは相続人が1人でも付表が必須です。複数相続人なら確認書、還付金を代表者が一括受領するなら別途委任状を準備します。

準確定申告10STEP

1

故人の前年申告書・e-Tax控えと死亡年の所得を調査する

2

準確定申告が必要か、還付申告だけかを判定する

3

各相続人が相続開始を知った日と4か月期限を確認する

4

給与・年金・事業・不動産・譲渡所得の資料を集める

5

死亡日までの収入・経費と死亡後の相続人分を区分する

6

医療費・保険料・扶養等の所得控除を確認する

7

相続人の提出方法、納税額、還付金受取人を整理する

8

申告書・付表・確認書・委任状等を作成する

9

故人の所轄税務署へ申告し期限内に納付する

10

納付税額・還付金を相続税の債務・財産へ反映する

準確定申告とは

準確定申告は、亡くなった人について確定申告が必要な場合に、相続人や包括受遺者が代わって所得税・復興特別所得税を申告し、納税する手続きです。通常は死亡年の1月1日から死亡日までに確定した所得と税額を計算します。

国税庁 No.2022は、期限を相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内としています。死亡届、相続税申告、個人事業の廃業・承継届、消費税申告とは別の手続きです。

誰が申告するか

所得税法124条・125条により、相続人が申告します。所得税法上の相続人には包括受遺者も含まれます。相続人不存在の場合は、包括受遺者や相続財産清算人の有無により取扱いが変わるため、税務署または税理士へ確認します。

相続放棄を検討中の人が故人の税金を支払ったり、事業資産を処分したりすると、相続手続きへの影響が問題になることがあります。納期限が迫る場合でも単独で判断せず、家庭裁判所・弁護士・税理士へ早めに相談します。

準確定申告が必要かを判定する

亡くなった人全員に必要なわけではありません。故人が通常の確定申告をすべき人だったかを、死亡年の収入・所得・控除で判定します。事業所得、不動産所得、不動産や株式等の譲渡所得、複数の給与、年末調整されていない給与などがある場合は確認が必要です。

給与所得者の申告要件や公的年金等の確定申告不要制度も適用されます。年金収入400万円以下・年金以外の所得20万円以下でも、源泉徴収対象外の外国年金がある場合は不要制度を利用できません。また、所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要な場合があります。

源泉徴収税額や予定納税額が計算税額を上回る場合は、申告義務がなくても還付申告を検討できます。還付申告は義務申告の4か月期限と取扱いが異なり、国税庁は原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できると案内しています。ただし、相続税の財産・債務を確定するため早めに処理します。

期限は死亡日からではなく「知った日の翌日」から4か月

通常、相続人が死亡を知った日と死亡日は同日ですが、後から死亡を知った相続人は起算日が異なることがあります。複数相続人で知った日が違う場合は、各人の期限を個別に確認してください。

確定申告義務のある人が、翌年1月1日から通常の確定申告期限までに前年分を提出せず死亡した場合は、前年分と死亡年分の両方が、相続開始を知った日の翌日から4か月以内となります。死亡前年以前の未申告分すべてに4か月特例が付くわけではありません。

災害、重傷病その他の自己の責めに帰さないやむを得ない事情がある場合は、国税通則法上の期限延長を申請できる可能性があります。単なる資料不足を理由に期限が自動延長される制度ではないため、期限前に所轄税務署へ相談します。

対象となる所得の期間

死亡年の1月1日から死亡日までに確定した給与、年金、事業、不動産、配当、譲渡などを集計します。収入の入金日だけでなく、所得の種類ごとの収入計上時期で判断します。死亡後の賃料や事業売上を機械的に故人分へ入れず、相続人側の所得との境目を帳簿・契約ごとに確認します。

故人が生前に不動産や株式を売却していた、暗号資産取引や国外資産がある、事業帳簿が未完成である場合は、取引履歴と契約日・引渡日を確認します。

必要書類

  • 所得税及び復興特別所得税の確定申告書
  • 死亡した者の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)
  • 給与・公的年金等の源泉徴収票、支払調書
  • 事業・不動産所得の帳簿、青色申告決算書または収支内訳書
  • 譲渡所得の契約書、取得費・譲渡費用資料、証券会社の取引資料
  • 医療費控除の明細書、保険料・寄附金等の控除資料
  • 予定納税額・源泉徴収税額が分かる資料
  • 相続人の本人確認書類、個人番号資料
  • 還付金を代表者が一括受領する場合の委任状

必要書類は所得や控除により変わります。前年の申告書、青色申告決算書、総勘定元帳、固定資産台帳、e-Taxメッセージボックスも確認します。

相続人が複数いる場合

国税庁は、各相続人等が連署して提出するほか、他の相続人等の氏名を付記して各人が別々に提出する方法も認めています。別々に提出した相続人は、他の相続人へ申告内容を通知しなければなりません。

書面申告で相続人が1人の場合は付表を省略できる取扱いがありますが、e-Taxでは相続人が1人でも付表のXMLデータが必須です。相続人が2人以上のe-Tax申告では、全員が内容を確認・署名した「準確定申告の確認書」をPDFで送信します。代表者が他の相続人の還付金も一括受領する場合は、確認書とは別に各人の委任状が必要です。

e-Taxで提出するときの注意

準確定申告のe-Tax案内では、相続人代表の利用者識別番号と電子証明書を使います。故人のマイナンバーカード、利用者識別番号、電子証明書を相続人がそのまま使う手続きではありません。税理士が代理送信する場合は、税理士の電子証明書により相続人代表の電子証明書を省略できる取扱いがあります。

相続人全員の個人番号を扱うため、メール・共有フォルダ・控えの保存時はマスキングとアクセス制限を行います。書面提出では相続人の本人確認書類の写しの添付または窓口提示が必要になる場合があります。

医療費控除・保険料控除の区切り

国税庁によると、故人の準確定申告で医療費控除の対象となるのは、死亡日までに故人が実際に支払った医療費です。診療が死亡日前でも、死亡後に相続人が支払った医療費は故人の準確定申告へ入れられません。

死亡後に相続人が支払った医療費は、支払時などに故人と生計を一にしていた相続人自身の医療費控除となる可能性があります。また相続税では、死亡時に確定していた未払医療費が債務控除の対象となるかを別に検討します。同じ金額を重複処理しないよう支払日と負担者を記録します。

社会保険料、小規模企業共済等掛金、生命保険料、地震保険料、寄附金も、原則として死亡日までに故人が支払った額が対象です。配偶者控除・扶養控除等は死亡日の現況で判定し、控除額を死亡日までの月数で月割りしません。

納税・還付と相続税への反映

国税通則法5条により、故人の国税の納付義務は相続人へ承継されます。相続人が複数の場合、指定相続分がなければ原則として法定相続分により承継税額を按分します。付表の「納める税金等」で各人の税額を確認します。

準確定申告で確定した未納所得税等は、一定の要件で相続税の債務控除の対象になります。反対に還付金は相続財産へ計上します。国税庁の誤りやすい事例も、準確定申告の還付金を相続財産から漏らさないよう注意を促しています。納付書、電子納税結果、還付通知書を相続税資料と一緒に保存します。

個人事業者・消費税の追加手続き

故人が個人事業者なら、所得税だけでなく、事業の廃止・承継、青色申告、給与支払事務所、源泉所得税、インボイス登録等を確認します。所得税の青色申告の効力が相続人へ自動的に引き継がれるわけではありません。

消費税の課税事業者だった場合は、死亡した事業者の消費税・地方消費税の申告と所定の明細書も確認します。所得税の準確定申告と同じ申告書ではありません。No.89・No.90の記事と併せて処理します。

期限を過ぎた場合

4か月を過ぎたことに気付いたら、資料がすべてそろうまで放置せず、所轄税務署または税理士へ連絡して早急に期限後申告と納付を進めます。国税庁は、期限後申告では無申告加算税や延滞税が生じる場合があると案内しています。

申告内容を少なく見積もった仮の申告を安易に行うのではなく、足りない資料、推計の可否、後日の修正申告・更正の請求を専門家へ確認してください。

野田市・柏市・流山市・松戸市の管轄・問い合わせ先

準確定申告は、相続人の住所ではなく、原則として被相続人の死亡当時の納税地を所轄する税務署へ提出します。個別相談は事前予約が必要な場合があります。

野田市

死亡時の納税地が野田市:柏税務署

柏市

死亡時の納税地が柏市:柏税務署

流山市

死亡時の納税地が流山市:松戸税務署

松戸市

死亡時の納税地が松戸市:松戸税務署

死亡時の納税地が野田市・柏市なら柏税務署、流山市・松戸市なら松戸税務署です。住所と納税地が異なる届出をしていた場合などは管轄が変わるため、故人の前年申告書で提出先を確認してください。管轄・電話番号の確認日:2026-09-10。

自分でできるか

給与・国内年金だけで資料がそろい、相続人間の連絡も取れるケースは、国税庁の様式・e-Taxを使って本人対応できる場合があります。ただし、死亡年の税制・様式を使用し、故人ではなく相続人代表の認証情報で提出します。

税理士に相談した方がよいケース

  • 4か月期限まで時間がない
  • 事業所得・不動産所得・消費税がある
  • 不動産、非上場株式、上場株式、暗号資産の譲渡がある
  • 帳簿、取得費、源泉徴収票、前年申告書が見つからない
  • 前年分も未申告のまま1月1日以後に死亡した
  • 相続人ごとに死亡を知った日や申告方針が異なる
  • 相続放棄、限定承認、相続人不存在が関係する
  • 準確定申告の税額・還付金を相続税へ反映する必要がある

注意点

  • 4か月期限:相続税の10か月期限と混同しません。
  • 前年分も確認:1月1日から通常期限までの死亡では前年分も対象になり得ます。
  • 医療費は支払日:死亡後に相続人が払った分を故人へ入れません。
  • e-Taxの付表:相続人1人でも省略できません。
  • 認証情報:故人のマイナンバーカードを使用しません。
  • 相続税へ連携:納付税額は債務、還付金は財産として検討します。

よくある質問

年金だけなら準確定申告は不要ですか

必ず不要とは限りません。公的年金等の収入400万円以下、年金以外の所得20万円以下などの不要制度を確認します。源泉徴収対象外の外国年金がある場合は不要制度を利用できず、住民税申告が別途必要な場合もあります。

相続人が1人なら付表は不要ですか

書面では省略できる取扱いがありますが、e-Taxで準確定申告する場合は1人でも付表のXMLデータが必要です。

相続人全員が同じ申告書へ署名しなければなりませんか

連署による共同提出のほか、他の相続人の氏名を付記して別々に提出する方法もあります。別提出した相続人は他の相続人へ申告内容を通知します。

死亡後に払った入院費を故人の医療費控除にできますか

できません。診療日が死亡前でも、死亡後に相続人が支払った医療費は故人の準確定申告の対象外です。相続人自身の医療費控除や相続税の債務控除を別に検討します。

還付だけでも4か月以内ですか

申告義務がなく還付だけを受ける申告は、義務申告の4か月期限と取扱いが異なります。原則5年間ですが、相続税計算と遺産分割へ影響するため早めに行います。

故人のマイナンバーカードでe-Tax送信できますか

故人のカードは使用しません。相続人代表の利用者識別番号と電子証明書を使い、複数相続人なら確認書等を添付します。

準確定申告の納税額と還付金は相続税に関係しますか

関係します。未納所得税等は一定の要件で債務控除を検討し、還付金は相続財産へ計上します。

関連する相続手続き

参考にした公式情報

情報確認日:2026年9月10日

申告義務、所得の計上時期、控除、承継税額、相続放棄、相続税・消費税との関係は個別事情で変わります。提出前に死亡年分の最新様式と所轄税務署の案内を確認してください。