家庭裁判所の手続き

遺言書の検認|開封前の注意・必要書類と4市の申立先

期限
遺言者の死亡を知った後、遅滞なく
申立先
遺言者の最後の住所地の家庭裁判所

相続手続き100チェックリスト No.94。自宅等で自筆証書遺言を見つけたら、封印のある遺言書を自分で開封せず、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ遅滞なく検認を申し立てます。検認は状態確認と偽造・変造防止の手続きで、有効性を判断するものではありません。公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言は検認不要です。

No.94 遺言書検認の基本情報

確認項目
内容
対象
自宅等で保管された自筆証書・秘密証書遺言等
対象外
公正証書・法務局保管の自筆証書遺言
申立人
保管者または発見した相続人
期限
死亡を知った後、遅滞なく
申立先
遺言者の最後の住所地の家庭裁判所
申立費用
遺言書1通につき収入印紙800円+郵便料
検認済証明
遺言書1通につき収入印紙150円
4市の申立先
千葉家庭裁判所松戸支部

封印のある遺言書は自宅で開封しない

封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いのもと開封します。発見時の封筒・封印・保管状態を変えず、遺言書へ書き込んだり補修したりしないでください。

裁判所の案内によれば、検認は遺言書の状態を明確にして偽造・変造を防ぐ手続きで、有効・無効を判断するものではありません。開封してしまっても当然無効ではありませんが、現状を保って速やかに申し立てます。

遺言書を検認する9STEP

1

遺言書の種類と法務局保管の有無を確認する

2

封印があれば開封せず現在の状態を保つ

3

遺言者の最後の住所地と申立先を確認する

4

遺言者の出生から死亡までの戸籍を集める

5

相続人全員と代襲関係の戸籍をそろえる

6

申立書・当事者目録・郵便料等を準備する

7

家庭裁判所へ遅滞なく申立てる

8

指定日に遺言書原本を持参して検認を受ける

9

検認済証明書を取得して各相続手続へ進む

誰が申し立てる手続きか

遺言書の保管者、または保管者がいない遺言書を発見した相続人です。民法1004条により、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所へ提出して検認を請求します。

検認が必要な遺言書・不要な遺言書

自宅、貸金庫、専門家の事務所などで保管されていた自筆証書遺言は、封印の有無にかかわらず原則として検認対象です。秘密証書遺言や特別の方式による遺言も対象になることがあります。

公正証書遺言は検認不要です。また、遺言書保管法11条により、法務局の自筆証書遺言書保管制度で保管されている遺言書にも民法1004条1項は適用されません。相続人等は法務局で遺言書情報証明書を取得して手続きを進めます。

検認の目的

裁判所の公式案内では、検認は相続人へ遺言の存在と内容を知らせ、遺言書の形状、加除訂正、日付、署名など検認時の状態を明確にして、偽造・変造を防止する手続きとされています。

検認は、遺言書が法的に有効か無効かを判断する手続きではありません。自書、日付、署名、押印、遺言能力、内容の解釈、偽造の疑いなどに争いがあれば、検認後も別途協議・訴訟等が必要になる場合があります。

封印のある遺言書は自分で開封しない

民法1004条3項により、封印のある遺言書は家庭裁判所で相続人またはその代理人の立会いのもとで開封しなければなりません。中身を確認するため、撮影するため、コピーするためであっても、自宅で封を切らないでください。

見つけた時点の封筒、封印、汚れ、折り方、保管状況を変えず、そのまま保管します。遺言書へ書き込み、付箋貼付、補修、ホチキス外しをしないでください。

開封してしまった場合

開封したことだけで遺言書が当然に無効になるわけではありません。ただし、民法1005条は、提出を怠った場合、検認を経ずに遺言を執行した場合、家庭裁判所外で封印のある遺言書を開封した場合について、5万円以下の過料を定めています。

開封後も捨てたり書き直したりせず、封筒と遺言書を現在の状態で保管し、いつ、誰が、どのように開封したかを記録して、速やかに家庭裁判所へ相談・申立てをします。

期限

死亡後7日や3か月といった全国一律の日数ではなく、遺言者の死亡を知った後「遅滞なく」申し立てます。相続放棄の熟慮期間や相続税申告期限とは別の手続きです。

戸籍がすべてそろうまで長期間放置せず、取得困難な戸籍や追加書類がある場合は申立先へ早めに相談します。

申立先

遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。遺言者の本籍地、申立人の住所地、遺言書の発見場所ではありません。最後の住所は住民票除票や戸籍附票等で確認します。

必要書類

  • 遺言書検認申立書
  • 遺言者の出生時から死亡時までの連続した戸籍・除籍・改製原戸籍
  • 相続人全員の現在戸籍
  • 死亡した子・兄弟姉妹や代襲相続人がいる場合の追加戸籍
  • 遺言者の最後の住所を確認する資料
  • 裁判所が指定する連絡票、当事者目録等
  • 検認期日に持参する遺言書原本・封筒

相続関係によって必要な戸籍の範囲が変わります。裁判所の標準的な添付書類案内を確認し、不足分は担当裁判所の指示に従います。戸籍等に代えて法定相続情報一覧図の写しを提出できる場合もありますが、申立先へ事前確認が必要です。

費用

  • 申立手数料:遺言書1通につき収入印紙800円分
  • 連絡用郵便切手または案内された郵便料
  • 検認済証明書:遺言書1通につき収入印紙150円分
  • 戸籍、住民票除票、郵送等の実費

郵便料は裁判所ごとに異なります。松戸支部へ申立てる場合も、提出前に最新の金額・納付方法を確認します。

申立てから検認期日まで

  1. 申立書と戸籍等を提出します。
  2. 裁判所が相続人を確認し、検認期日を指定します。
  3. 裁判所から申立人・相続人へ期日通知が届きます。
  4. 申立人は遺言書原本と指示された物を持参します。
  5. 裁判官が出席者の立会いのもと遺言書の状態を確認し、封印があれば開封します。

申立人以外の相続人が出席するかは各自の判断です。全員がそろわなくても検認手続きは行われます。ただし、申立人は遺言書を持参する必要があるため、裁判所の指示を確認します。

検認後に行うこと

遺言を執行するため、遺言書に検認済証明書を付けてもらう申請をします。その後、遺言内容に応じて不動産の相続登記、預貯金、株式、遺贈等の手続きを個別に行います。検認だけで財産名義が変更されるわけではありません。

遺言執行者が指定されていない、指定された人が就任できないなど、遺言内容を実現するため選任が必要なら、No.95の遺言執行者選任申立てを検討します。

法務局保管か分からない場合

法務省の案内では、関係相続人等は「遺言書保管事実証明書」で保管の有無を確認でき、保管されている場合は「遺言書情報証明書」で内容を確認できます。原本閲覧を除く証明書交付やモニター閲覧は、全国の遺言書保管所で請求できます。

手数料は、遺言書保管事実証明書が1通800円、遺言書情報証明書が1通1,400円です。家庭裁判所の検認申立てと法務局の証明書請求を混同しないでください。

2026年公布の遺言制度改正について

法務省によると、電子データ等で作成し法務局で保管する「保管証書遺言」の創設や、自筆証書遺言等の押印要件見直しなどを含む改正法が2026年6月24日に公布されました。

2026年9月11日現在、これらはまだ施行されていません。押印の任意化等は公布から1年以内、システム改修を要する保管証書遺言等は公布から3年以内の政令指定日に施行されます。現在見つかった遺言書は、作成時・相続開始時・手続時に適用される現行ルールで判断し、将来の新制度を先取りしないでください。

野田市・柏市・流山市・松戸市の申立先

遺言者の最後の住所が4市のいずれかなら、検認の申立先は千葉家庭裁判所松戸支部です。本籍地、相続人の住所、遺言書を見つけた場所では決まりません。

最後の住所:野田市

千葉家庭裁判所 松戸支部

遺言書検認の新規申立て・手続案内(受付係)

最後の住所:柏市

千葉家庭裁判所 松戸支部

遺言書検認の新規申立て・手続案内(受付係)

最後の住所:流山市

千葉家庭裁判所 松戸支部

遺言書検認の新規申立て・手続案内(受付係)

最後の住所:松戸市

千葉家庭裁判所 松戸支部

遺言書検認の新規申立て・手続案内(受付係)

所在地:〒271-8522 千葉県松戸市岩瀬無番地。新規申立ては受付係047-313-9737、申立て後の事件は審判係047-313-0152です。市役所では検認を受け付けません。郵便料と提出方法は申立前に確認してください。確認日:2026-09-11。

自分でできるか

相続人が少なく、戸籍関係が単純で、遺言書の状態や有効性に争いがなければ本人申立ても可能です。裁判所は手続案内を行いますが、遺言の有効性や相続人間の法的争点について一方当事者へ助言する場所ではありません。

専門家に相談した方がよいケース

  • 封印された遺言書を開封してしまった
  • 複数の遺言書があり、日付や内容が矛盾する
  • 筆跡、署名、押印、訂正方法に疑いがある
  • 遺言者の認知症・判断能力が問題となっている
  • 相続人が多い、代襲相続、海外在住者がいる
  • 遺留分、廃除、認知、遺贈、信託が含まれる
  • 遺言書の破棄・隠匿・改ざんが疑われる
  • 相続放棄や相続税申告の期限も迫っている

注意点

  • 封印の有無だけで検認要否を決めない:未封の自筆証書遺言も原則として検認対象です。
  • 検認と有効性判断を混同しない:検認済みでも有効性が保証されるわけではありません。
  • 申立先を本籍地で決めない:遺言者の最後の住所地が基準です。
  • 全員出席を待たない:申立人以外の相続人が欠席しても検認は進みます。
  • 検認後も別手続が必要:登記、預金、株式等の名義変更は自動ではありません。
  • 未施行の改正を使わない:2026年公布の新制度は施行日を確認します。

よくある質問

封がない自筆証書遺言も検認が必要ですか

自宅等で保管されていた自筆証書遺言は、封がなくても原則として検認対象です。封印の有無は開封方法に関係しますが、検認要否を決める唯一の基準ではありません。

開封すると遺言書は無効になりますか

開封だけで当然に無効になるわけではありません。ただし、過料や証拠上の問題が生じ得るため、現状を保って速やかに家庭裁判所へ相談します。

検認を受ければ遺言は有効ですか

いいえ。検認は状態確認と証拠保全の手続きで、有効・無効を判断するものではありません。

相続人全員が出席する必要がありますか

申立人以外の相続人の出席は各自の判断で、全員がそろわなくても検認手続きは行われます。

法務局保管の自筆証書遺言も検認しますか

検認不要です。関係相続人等が遺言書情報証明書を取得して、その証明書を相続手続きに使用します。

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参考にした公式情報

情報確認日:2026年9月11日