市役所・官公署の手続き

姻族関係終了届とは?死後離婚との違い・期限・相続への影響を解説

期限
法律上の提出期限なし/届出日から効力
費用
届出は無料/証明書取得等は別費用

配偶者が死亡しても、生存配偶者と亡くなった配偶者の血族との姻族関係は自動では終了しません。終了を望む生存配偶者は、法律上の期限なく、本籍地または所在地の市区町村へ姻族関係終了届を提出できます。相手方親族の同意は不要ですが、本人の氏・戸籍、子どもの血族関係、死亡時に開始した相続は別の問題です。

姻族関係終了届の対象・提出先・効果

項目
内容
届出人
配偶者と死別した生存配偶者本人。亡くなった配偶者の血族側から終了させる届出はできません
期限
法律上の提出期限はありません。届出が受理された日から姻族関係終了の効力が生じます
提出先
届出人の本籍地または所在地の市区町村。死亡した配偶者の住所地に限りません
基本書類
姻族関係終了届書に生存配偶者が署名。押印は任意で、戸籍証明書の添付は原則不要です
費用
届出手数料は無料。戸籍証明書や受理証明書、郵送等が必要な場合の費用は別です
変わらないもの
本人の氏・戸籍、子どもの血族関係、死亡時に生じた配偶者相続人としての地位はこの届出だけでは変わりません

「死後離婚」ではなく、姻族関係だけを終了する届出

姻族関係終了届は離婚届ではありません。配偶者の死亡によって婚姻はすでに解消していますが、亡くなった配偶者の血族との姻族関係は当然には終了しません。生存配偶者が終了を望むとき、民法第728条第2項に基づいて届け出ます。

届出をしても生存配偶者の氏や戸籍は変わりません。婚姻前の氏へ戻るにはNo.9の復氏届が別に必要です。大阪市の公式案内も、両手続の効果を明確に分けています。

姻族関係終了届を提出する5つのSTEP

1

届出で終了するのは、生存配偶者と亡くなった配偶者の血族との姻族関係であることを確認する

2

復氏届も出すか、子ども・住居・保証契約・墓や祭祀など別の問題を整理する

3

復氏届も出す場合は、提出順序による戸籍記載の違いを戸籍担当へ事前確認する

4

姻族関係終了届書へ生存配偶者本人が署名し、本籍地または所在地の市区町村へ提出する

5

受理後は必要に応じて戸籍記載を確認し、相続・年金・契約・祭祀等の別手続きを続ける

姻族関係終了届とは

婚姻すると、配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹など、配偶者の血族との間に姻族関係が生じます。離婚や婚姻の取消しでは姻族関係も終了しますが、配偶者の死亡だけでは終了しません。生存配偶者が終了を望む場合に、市区町村へ姻族関係終了届を提出します。

この手続は俗に「死後離婚」と呼ばれることがあります。しかし、法律上は配偶者の死亡時に婚姻が解消しているため、離婚届を出すものではありません。終了する対象は、あくまで生存配偶者と死亡した配偶者の血族との姻族関係です。秋田市の公式案内でも、この区別が示されています。

誰が届け出るか

届出人は、配偶者と死別した生存配偶者本人です。亡くなった配偶者の父母や兄弟姉妹が、生存配偶者との姻族関係を一方的に終了させる届出はできません。相手方親族の同意、署名、家庭裁判所の許可も要件ではなく、生存配偶者本人の意思に基づいて届け出ます。

届書の署名は生存配偶者本人が行います。署名済み届書を本人以外が窓口へ持参できるか、郵送で受け付けるかは提出先の案内を確認してください。不備があると受理できない場合があるため、本人が行けないときは事前相談が安全です。

期限と効力が生じる日

法律上の提出期限はありません。配偶者の死亡後、生活上の影響を整理してから判断できます。届出が受理された日から姻族関係終了の効力が生じるため、死亡時までさかのぼって姻族関係がなかったことになる手続ではありません。

受理後に内容を変更したい場合は、単純な「取消し」ができると決めつけず、受理した市区町村へ個別に確認してください。提出前に、氏・戸籍、子ども、契約、墓・祭祀への影響を分けて検討します。

手続き先

届出人の本籍地または所在地の市区町村へ提出します。死亡した配偶者の本籍地や死亡時の住所地だけに限定されません。根拠となる届出事項は戸籍法第96条に定められています。

時間外窓口では届書を預かり、後日開庁日に審査する自治体があります。郵送受付の有無や不備の補正方法も自治体ごとに確認します。届出日を確実にしたい場合や復氏届も同時に出す場合は、開庁時間内に事前審査を依頼すると安心です。

必要書類

  • 姻族関係終了届書
  • 届出人である生存配偶者本人の署名
  • 連絡先電話番号など、届書で求められる事項
  • 国外の死亡・婚姻や非電算化戸籍等が関係するときに提出先が指定する資料

押印は任意です。2024年3月1日以降、本籍地以外へ戸籍届を出す場合も、戸籍証明書等の添付は原則不要になりました。法務省の戸籍法改正案内で全国的な取扱いを確認できます。ただし、国外関係など個別事情では追加書類が必要になることがあります。

柏市が公開する届書では、死亡した配偶者の氏名・死亡日・本籍等と届出人の署名欄が確認できます。用紙はA4で印刷し、提出先の最新様式と記載方法を確認してください。

届出によって変わること

生存配偶者と、死亡した配偶者の血族との姻族関係が将来に向かって終了します。三親等内の姻族は民法上の親族に含まれるため、その親族関係を終了させる身分行為です。生存配偶者の戸籍には姻族関係終了の事項が記載されます。

ただし、姻族関係を前提とする法律関係と、契約・所有権・既に発生した債務は分けて考えます。介護施設の保証人、賃貸借、金銭貸借、共有不動産などの責任や権利が、この届出だけですべて消えるわけではありません。

届出をしても変わらないこと

  • 本人の氏・戸籍:姻族関係終了届だけでは変わりません。婚姻前の氏へ戻るには復氏届が必要です。
  • 子どもの血族関係:子どもと亡くなった親、その祖父母等との血族関係は変わりません。
  • 亡くなった配偶者の相続:死亡時に開始した相続における配偶者相続人の地位や、既に取得した財産を取り消す届出ではありません。
  • 個別の契約:保証、賃貸借、介護施設、墓地使用契約等は契約内容に従って別に確認します。

遺族年金への影響

姻族関係終了届と遺族年金は根拠法令が異なります。届出だけで受給権が当然に消えると判断せず、受給者本人の婚姻・養子縁組など各制度の失権事由と個別事情を確認します。日本年金機構の遺族厚生年金案内を確認し、受給中または請求中なら年金事務所や共済組合へ照会してください。

復氏届との違いと提出順序

復氏届は、婚姻で氏を改めた生存配偶者が婚姻前の氏へ戻る手続です。姻族関係終了届は、氏を変えずに亡くなった配偶者の血族との姻族関係だけを終了します。両方とも出す、一方だけ出す、どちらも出さない、という選択が可能です。

岩国市の公式案内では、両方を出す場合、順序によって新戸籍への姻族関係終了事項の記載が異なる例が示されています。戸籍上の記録を確認したい場合は、両方の届書を書く前に戸籍担当へ相談します。

扶養・介護・保証への影響

姻族関係が終了すると、姻族という身分関係を前提とする将来の法律関係に影響します。一方、既に締結した介護サービス、施設保証、賃貸借、金銭消費貸借等の契約責任は別問題です。届出をしただけで契約上の保証人から外れるとは限らないため、契約書と解除・変更手続きを確認します。

墓・遺骨・祭祀との関係

墓、仏壇、遺骨、法要を誰が管理するかは、姻族関係終了届だけで一律に決まりません。祭祀承継者、遺言、親族間の合意、寺院・霊園の使用規則や契約を確認します。名義変更や改葬を予定している場合は、墓地管理者と市区町村へ別に相談します。

費用

姻族関係終了届の提出手数料は無料です。受理証明書や戸籍証明書を取得する場合、郵送する場合、国外書類の翻訳が必要な場合、契約名義を変更する場合は、それぞれ費用がかかることがあります。

自分でできるか

生存配偶者本人が届書を作成し、市区町村へ提出できる手続です。相手方親族と合意書を作る手続ではありません。ただし、復氏届、子どもの戸籍、国外関係、契約責任、墓・祭祀が絡むときは、届出の効果と別問題を混同しないよう窓口で確認します。

専門家・窓口へ相談した方がよいケース

  • 復氏届も提出し、戸籍への記載順序を確認したい
  • 子どもの氏・戸籍も変更したい
  • 介護、保証、住居、共有財産等の契約責任が残っている
  • 墓・遺骨・祭祀承継をめぐる対立がある
  • 外国籍の配偶者や国外の婚姻・死亡が関係する
  • 相続や遺族年金への影響を個別に確認したい

届出と戸籍記載は市区町村、遺族年金は年金事務所等へ相談します。契約や親族間の紛争は弁護士、不動産登記などの相続手続は司法書士へ相談できます。

注意点

  • 「死後離婚」ではない:離婚届ではなく、姻族関係だけを終了する戸籍届です。
  • 氏は変わらない:婚姻前の氏へ戻るには復氏届が必要です。
  • 子どもは変わらない:子どもと死亡した親・その血族との関係は継続します。
  • 契約は別:保証や賃貸借等の責任は個別の変更・解除手続きを確認します。
  • 復氏届との順序:両方出す場合は戸籍記載を事前確認します。
  • 国外関係:一般案内だけで判断せず、提出先へ必要書類を照会します。

よくある質問

亡くなった配偶者の親族の同意は必要ですか

法律上は不要です。生存配偶者本人の意思で届け出ます。相手方親族の署名も要件ではありません。

姻族関係終了届に期限はありますか

法律上の提出期限はありません。届出が受理された日から効力が生じます。

届出をすると婚姻前の氏へ戻りますか

戻りません。婚姻前の氏へ戻るには、別に復氏届を提出します。

子どもと配偶者側の祖父母との関係も終わりますか

終わりません。姻族関係終了届は生存配偶者の姻族関係を終了する届出で、子どもの血族関係は変えません。

相続した財産や遺族年金を失いますか

死亡時の相続人の地位や取得済み財産を取り消す届出ではありません。遺族年金は制度ごとの失権事由があるため、受給中なら年金事務所等へ個別に確認してください。

関連する相続手続き

野田市・柏市・流山市・松戸市の姻族関係終了届相談窓口

姻族関係終了届は、届出人の本籍地または所在地の市区町村へ提出します。次の4市へ提出する場合は、おくやみ総合案内ではなく戸籍届を担当する市民課へ、受付場所・時間外受付・郵送の可否を確認してください。

野田市

市民課 受付係・戸籍係

市役所1階。戸籍届の受付は受付係、戸籍記載は戸籍係が担当します。

柏市

市民課

本庁舎等の戸籍窓口。郵送届も案内されていますが、不備時の補正があるため事前相談します。

流山市

市民課

第1庁舎1階。平日17時以降・休日等は本庁舎守衛室で預かりとなるため事前確認します。

松戸市

市民課

市役所新館1階または各支所。平日の事前確認は9時から16時30分までです。

窓口・電話番号の確認日:2026-08-26。提出前に公式ページと戸籍担当で最新案内をご確認ください。

参考にした公式情報

情報確認日:2026年9月12日

この記事は日本人の国内戸籍に関する一般的な説明です。戸籍、国籍、国外関係、年金、契約、子ども、祭祀等の個別事情により取扱いが異なります。提出前に市区町村または各制度の窓口へ確認してください。