地域森林計画の対象森林を相続等で取得した人は、面積にかかわらず、所有者となった日から90日以内に森林所在地の市町村長へ届け出ます。遺産分割が死亡日から90日以内に終わらない場合は法定相続人の共有として届け、分割後に取得者・持分が変われば再度届出が必要です。
森林所有者届出の基本情報
- 項目
- 内容
- 対象土地
- 都道府県の地域森林計画の対象となる森林。登記地目だけで判断しない
- 対象者
- 相続・遺産分割・売買・贈与等で森林の土地を新たに取得した個人・法人
- 面積
- 下限なし。小さな土地や共有持分の取得も対象になり得る
- 期限
- 所有者となった日から90日以内。相続開始時と遺産分割後を別に確認
- 提出先
- 届出人の住所ではなく、森林の土地がある市町村長
- 基本書類
- 届出書、権利取得を確認できる書類の写し、土地の位置図
遺産分割が90日以内に終わるかで届出方法が変わる
被相続人の死亡日から90日以内に遺産分割が終わらない場合は、法定相続人の共有物として届出が必要です。林野庁Q&Aによると、その後の遺産分割で所有者・持分が変わった場合は、分割成立日から90日以内に改めて届け出ます。
死亡日から90日以内に遺産分割が成立し、分割で取得した人が同じ90日以内に届け出る場合は、その届出だけで足りるとされています。分割が終わる時期を見ながら、提出先へ早めに相談してください。
森林所有者届出を行う5STEP
- 1
課税明細書・名寄帳・登記事項証明書等から山林の所在、地番、面積、共有持分を整理する
- 2
地番を示し、地域森林計画対象森林かを森林所在地の市町村または千葉県へ確認する
- 3
遺産分割が死亡日から90日以内に終わるか確認し、共有届出または分割後の届出を準備する
- 4
2026年4月改正後の届出書、権利取得確認書類の写し、土地の位置図等をそろえて提出する
- 5
受理後、遺産分割後の再届出、相続登記、伐採・造林、開発、森林管理を別に確認する
誰が届出の対象になるか
林野庁は、個人・法人を問わず、売買、相続、贈与、法人合併等により地域森林計画対象森林の土地を新たに取得した人に届出を求めています。取得面積の下限はなく、小さな土地や共有持分でも対象になり得ます。
ただし、売買で取得し、国土利用計画法に基づく土地売買契約の届出を提出している人は、森林法の所有者届出の対象外です。この例外は売買契約に関するもので、相続では通常該当しません。
対象となる森林
対象は、都道府県が定める地域森林計画の対象森林です。登記地目が「山林」でも計画対象外の場合があり、反対に原野・雑種地などでも現況が森林で計画対象となる場合があります。固定資産税の地目だけで決めず、地番を示して市町村の森林担当課または千葉県へ確認します。
期限|所有者となった日から90日以内
届出期限は、森林の土地の所有者となった日から90日以内です。相続開始時は原則として被相続人の死亡日が基準となります。相続登記の完了日まで待つ制度ではないため、登記や遺産分割に時間がかかるときほど早めに市町村へ相談します。
遺産分割が終わっていない場合
死亡日から90日以内に遺産分割が終わらない場合、法定相続人の共有物として届け出ます。その後、分割によって単独所有または持分割合が変わったときは、分割成立日から90日以内に改めて届け出ます。
死亡日から90日以内に遺産分割が成立し、分割で取得した人が期限内に届け出る場合は、その届出だけで足ります。届出済みか分からないときは、故人関係書類と受理書類を探し、市町村に記録の確認方法を相談します。
手続き先
提出先は、届出人の住所地ではなく、森林の土地がある市町村長です。実際には農政課、農業振興課、森林・みどり担当課等が受け付けます。複数市に森林がある場合は、それぞれの市へ提出します。
必要書類
- 森林の土地の所有者届出書
- 登記事項証明書の写し、遺産分割協議書と財産目録の写し等、取得した森林と新所有者を確認できる書類
- 森林の土地の位置を示す図面
- 代理提出の場合の委任状など、市町村が求める書類
遺産分割前の共有届出では、被相続人が所有していた森林を特定できる登記事項証明書・固定資産評価証明書等と、届出人が相続人であることを確認できる戸籍等の組合せが考えられます。具体的な組合せは提出先へ確認してください。
2026年4月からの新しい様式
2026年4月1日以降は、届出人の国籍等が記載事項に加わりました。法人では代表者の国籍等や、役員・議決権の過半を同一国の者が占める場合の国名等も記載します。届出人が国外居住の場合は国内連絡先の別紙も必要です。自治体ページに古い様式が残る場合があるため、林野庁または提出先が示す最新様式を使用します。
費用
東葛4市と林野庁の案内には、この届出の手数料は示されていません。費用の有無は提出先へ確認してください。登記事項証明書・戸籍等の取得費、郵送費、相続登記、測量・境界確認、森林管理の費用は別です。
相続登記との違い
森林所有者届出は、市町村が森林所有者情報を把握する制度で、所有権の帰属を確定するものではありません。法務局への相続登記とは別制度であり、登記を済ませても森林法の届出は不要になりません。相続登記は、所有権取得を知った日から3年以内が基本です。
伐採・造林・開発は別手続き
所有者届出をしても、立木を自由に伐採・開発できるわけではありません。地域森林計画対象森林の伐採は、原則として伐採開始の90日前から30日前までに伐採・造林計画を届け出ます。一定規模を超える開発や太陽光発電設備の設置、保安林内の行為には別の許可等が必要です。
自分でできるか
対象地番と相続人が明確で、位置図と取得原因書類を用意できれば、自分で届け出られます。森林の場所が分からない、共有者が多い、境界が不明、遺産分割が長引く場合は、地番一覧を作って市町村へ相談します。
専門家・窓口へ相談した方がよいケース
- 地域森林計画の対象か分からない
- 死亡から90日以内に遺産分割が終わらない
- 相続人・共有者が多い、または一部の相続人が不明
- 地番、境界、現地への進入路が分からない
- 相続登記、売却、伐採、開発、国庫帰属を検討している
森林法の届出は市町村、相続登記は法務局・司法書士、境界は土地家屋調査士、管理・施業は森林組合や林業事業体等へ相談します。
注意点
- 90日を待たない:遺産分割未了でも共有届出が必要です。
- 登記地目だけで判断しない:地域森林計画の対象かを地番で確認します。
- 最新様式を使う:2026年4月から国籍等の記載が追加されています。
- 登記は別:届出では所有権や登記名義は確定・変更されません。
- 無届・虚偽:森林法により10万円以下の過料となる可能性があります。
よくある質問
遺産分割が終わるまで待ってよいですか
死亡日から90日以内に終わらない場合は待てません。法定相続人の共有として届け、分割後に所有者・持分が変われば再度届け出ます。
死亡後90日以内に遺産分割が終わった場合も2回必要ですか
分割で取得した人が死亡日から90日以内に届け出れば、その届出だけで足りると林野庁は案内しています。
登記地目が原野なら対象外ですか
地目だけでは判断できません。地域森林計画対象森林かを市町村または千葉県へ確認します。
相続登記をすれば森林法の届出も完了しますか
完了しません。相続登記と森林所有者届出は別制度です。
90日を過ぎたらどうしますか
速やかに森林所在地の市町村へ相談します。取得日、遅れた事情、遺産分割の状況を説明し、最新様式で提出します。
関連する相続手続き
野田市・柏市・流山市・松戸市の森林担当窓口
森林の所在地ごとに担当市へ提出します。まず地番を伝え、地域森林計画対象森林か、2026年4月改正後の様式と提出方法を確認してください。
窓口・電話番号の確認日:2026-08-26。自治体ページの様式が旧版の場合は、林野庁の2026年4月改正後様式を使えるか担当課へ確認してください。
参考にした公式情報
- e-Gov法令検索「森林法」
- 林野庁「森林の土地の所有者届出制度」
- 林野庁「森林の土地の所有者届出制度Q&A」
- 野田市「森林の取得・伐採・開発」
- 柏市「森林の土地の新たな所有者の届出制度」
- 流山市「森林の土地取得について」
- 松戸市「森林の土地の所有者となった方は届出が必要です」
情報確認日:2026年8月26日
この記事は森林の土地所有者届出の一般的な説明です。対象区域、届出人、様式、添付書類、提出方法は個別事情と市町村により異なります。森林所在地の担当課へ最新情報を確認してください。