不動産・相続登記

相続した土地の地目変更登記|1か月の期限・農地転用・4市の窓口

期限
現実の主な用途が変わった日から1か月以内
手続き先
土地所在地を管轄する法務局

相続手続き100チェックリスト No.81。相続した土地の現実の主な用途が登記地目と変わったときは、その変更日から1か月以内に地目変更登記を申請します。田・畑を宅地や駐車場へ変える場合は、着工前の農地転用手続きと、利用実現後の地目変更登記を分けて確認します。

No.81 土地地目変更登記で確認すること

確認項目
要点
対象
登記地目と現実の主な用途が変わった土地
期限
現実の主な用途が変わった日から1か月以内
申請者
故人名義なら相続人の1人から申請可能
農地
着工前の転用手続きと利用実現後の登記を分ける
申請先
土地所在地を管轄する法務局

期限は許可日ではなく、土地の現実の用途が変わった日から1か月

農地転用の許可・届出だけでは、登記地目は変わりません。必要な手続きを済ませ、工事や利用開始によって土地の主な用途が実際に変わった後に地目変更登記を申請します。

不動産登記法37条の期限は変更日から1か月です。故人名義でも相続人の1人から申請できる取扱いがあります。

相続した土地の地目変更登記10STEP

1

登記事項証明書・公図・地積測量図を確認する

2

土地全体の現況と主な用途を現地で確認する

3

一筆全部か一部かを確認し、分筆の要否を検討する

4

田・畑なら着工前に農業委員会へ農地転用を相談する

5

必要な許可・届出を済ませ、計画した用途を実現する

6

用途が実際に変わった日と証明資料を整理する

7

故人名義なら戸籍・住所証明等を集める

8

申請書へ変更後の地目と変更日を記載する

9

変更日から1か月以内に管轄法務局へ申請する

10

完了後に税・農地台帳・相続登記も確認する

誰が必要か

相続した土地の現実の主な用途が、登記記録の地目と変わった場合に必要です。典型例は、田・畑を建物敷地や駐車場にした、山林を宅地にした、雑種地に建物が完成して宅地として利用を始めた場合です。単に相続しただけ、将来の転用を計画しただけ、一時的に資材を置いただけでは、直ちに地目が変わったとは限りません。

土地地目変更登記とは

登記記録の表題部にある「地目」を、土地の現在の主な用途に合わせる表示登記です。不動産登記規則99条は、土地の主な用途により地目を定めるとし、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、山林、墓地、公衆用道路、雑種地など23種類を定めています。

所有者が好きな地目を選ぶ制度ではありません。土地全体の利用状況、目的、継続性、周囲との関係を踏まえて登記官が判断します。市の固定資産税で使う課税地目、農業委員会の農地台帳、都市計画上の区域区分とも別制度です。

期限は「現実の主な用途が変わった日」から1か月

不動産登記法37条は、地目または地積に変更があったとき、表題部所有者または所有権の登記名義人に、変更日から1か月以内の申請を義務付けています。起算日は死亡日、相続日、遺産分割日、農地転用の許可日・届出日ではなく、工事完了や利用開始により土地の現実の主な用途が変わった日です。

正当な理由なく申請義務を怠った場合は、同法164条により10万円以下の過料の対象となり得ます。期限後でも申請義務はなくならないため、用途変更日を示す資料を集めて早めに申請してください。

故人名義のままでも相続人の1人から申請できる

法務局の提出前チェックリストは、登記名義人が死亡している場合、相続人の1人から地目変更登記を申請できると案内しています。登記名義人の死亡と、申請者が相続人であることを戸籍・除籍等で証明します。

地目変更登記は土地の現況を反映する表示登記であり、相続による所有権移転登記とは別です。地目変更だけのために必ず先に相続登記を完了しなければならないわけではありませんが、売却や担保設定を予定する場合は相続登記も必要です。

農地転用と地目変更登記は別の手続き

登記地目が田・畑である土地に住宅を建てる、駐車場・資材置場にするなど、農地を農地以外へ利用する場合は、通常、工事や利用開始の前に農地転用手続きが必要です。農林水産省の案内では、所有者自身が転用する場合を農地法4条、売買・賃貸など権利の移転・設定を伴う転用を5条の手続きとしています。

  • 市街化区域内の農地:原則として、あらかじめ農業委員会への届出を確認します。
  • 市街化調整区域等の農地:原則として、転用許可の要否と許可主体を農業委員会へ確認します。

許可や届出だけでは、登記地目は変わりません。必要な農地転用手続きを済ませ、計画した工事・利用が実現して土地の主な用途が実際に変わった後に、地目変更登記を申請します。反対に、必要な許可・届出をせず転用した状態を、地目変更登記で適法にすることもできません。

必要書類

  • 土地地目変更登記申請書
  • 登記事項証明書、公図、地積測量図等の確認資料
  • 土地の案内図、現地写真、配置図、工事完了や利用開始を示す資料
  • 農地転用許可書、届出受理通知書、転用事実確認証明書等
  • 非農地証明書など、農地ではない事実を示す証明書(該当する場合)
  • 建物を建築した場合の建物表題登記・検査済証等の関連資料
  • 登記名義人の死亡と申請者の相続資格を示す戸籍・除籍等
  • 登記上の住所と本籍・最終住所のつながりを示す戸籍附票・住民票除票等
  • 申請者の住所証明情報
  • 代理申請の場合の委任状

必要書類は変更前後の地目と現況によって変わります。法務局の非農地案内や提出前チェックリストにある書類を参考にしつつ、管轄法務局・農業委員会へ個別に確認してください。

一筆の一部だけ用途が変わった場合

一筆の一部を明確に宅地や駐車場として独立利用し、残りを農地等として使う場合は、先に土地分筆登記を行い、分けた土地について地目変更登記をすることがあります。一方、変更部分が小さく主たる用途に付随する程度なら、一筆全体の主用途で判断される可能性があります。「一部を使ったら必ず分筆」とは限らないため、土地家屋調査士に現況を確認してもらいます。

地目が変わった日はどう決めるか

建物敷地なら建物工事の完成・利用開始、駐車場なら造成が完了して継続的な駐車場利用が始まった時期など、変更後の用途が客観的に実現した日を確認します。工事請負契約書、工事完了書、検査済証、写真、利用開始記録、農地転用関係書類を保存してください。

古くから現況が変わっており正確な日が分からない場合は、航空写真、固定資産資料、建築資料等を集め、申請書の登記原因日付と補足資料を管轄法務局または土地家屋調査士へ相談します。

手続き方法

登記事項証明書・公図等と現地を照合し、変更前後の地目、変更範囲、変更日を確認します。田・畑なら農業委員会で転用手続きと完了後の証明書を確認し、故人名義なら相続関係・住所関係の資料を集めます。申請書に土地の所在、地番、変更前後の地目、変更日を記載し、土地所在地を管轄する法務局へ提出します。

登記官が現地調査や追加資料を求めることがあります。完了後は登記事項証明書で地目を確認し、固定資産税、農地台帳、売却・融資・建築の手続きに反映されているかを別途確認します。申請書様式と記載例は法務局の様式ページと土地地目変更登記の記載例で確認できます。

費用

土地地目変更登記自体には通常、登録免許税はかかりません。登記事項証明書、戸籍、農地転用関係の証明書、郵送等の実費と、土地家屋調査士へ現地調査・資料収集・申請代理を依頼する場合の報酬がかかります。

日本土地家屋調査士会連合会の令和7年度報酬統計では、200平方メートルの一筆を雑種地から宅地へ変更する設定事例について、全国の中央値は50,000円、平均は52,691円です。これは調査条件が定められた一例であり、農地転用、相続関係、複数筆、分筆、境界確認、遠距離調査などが加われば報酬は変わります。

野田市・柏市・流山市・松戸市の管轄・問い合わせ先

地目変更登記は土地所在地を管轄する法務局へ申請します。野田市・柏市は柏支局、流山市・松戸市は松戸支局です。田・畑の転用が関係する場合は、工事や利用開始の前に土地所在地の農業委員会へ確認してください。

野田市

登記管轄:千葉地方法務局 柏支局

〒277-0005 柏市柏6丁目10番25号

農地転用:野田市農業委員会事務局

野田市鶴奉7番地の1

柏市

登記管轄:千葉地方法務局 柏支局

〒277-0005 柏市柏6丁目10番25号

農地転用:柏市農業委員会事務局

柏市柏5丁目10番1号

流山市

登記管轄:千葉地方法務局 松戸支局

〒271-8518 松戸市岩瀬473番地18

農地転用:流山市農業委員会事務局

流山市平和台1丁目1番地の1 第2庁舎3階

松戸市

登記管轄:千葉地方法務局 松戸支局

〒271-8518 松戸市岩瀬473番地18

農地転用:松戸市農業委員会事務局

松戸市小根本7番地の8 京葉ガスF松戸第2ビル4階

市街化区域か市街化調整区域等か、農地法4条・5条のどちらか、必要な証明書は土地ごとに異なります。管轄・電話番号の確認日:2026-09-09。

4市で農地を転用するときの確認点

野田市、柏市、流山市、松戸市はいずれも、市街化区域内の農地転用届出について4条・5条の様式や窓口を案内しています。市街化調整区域等では原則として許可手続きとなるため、土地の区域区分を含めて農業委員会へ事前確認してください。

柏市は、許可・届出後に計画した建築等が完了した段階で「転用事実確認証明願」を申請する案内を公開しています。松戸市も転用事実確認証明や許可証明の案内を公開しています。地目変更登記に何を添付するかは、土地所在地の農業委員会と管轄法務局の双方へ確認します。

固定資産税・農地台帳も別に確認する

法務局の登記地目が変わっても、農地台帳上の処理や固定資産税の評価・住宅用地特例が同時に自動完了するとは限りません。住宅用地になれば特例が関係する一方、農地評価が外れて税額が変わることもあります。工事完了後、各市の農業委員会と資産税担当課へ反映時期を確認してください。

自分でできるか

一筆全体の用途が明確に変わり、変更日と証明資料がそろう単純な案件は本人申請も可能です。ただし、地目の判定、一部転用、農地転用、古い用途変更、故人名義、登記と現況の不一致がある場合は専門判断が必要です。

法務局は、土地の地目変更など表示に関する登記の申請代理を行う専門家を土地家屋調査士と案内しています。相続による所有権移転登記は司法書士、農地転用の許認可書類は行政書士等が関係する場合があるため、案件に応じて連携します。

専門家に相談した方がよいケース

  • 田・畑を宅地、駐車場、資材置場等へ変えた、または変える予定がある
  • 一筆の一部だけ用途が変わり、分筆の要否が分からない
  • 登記地目、課税地目、農地台帳、現況が一致しない
  • 変更日が古い、または客観的な資料が少ない
  • 故人名義のまま数次相続・代襲相続が発生している
  • 開発許可、建築確認、盛土規制、農振除外等も関係する
  • 売却・融資・建築の期限が迫っている

注意点

  • 起算日は現況が変わった日:死亡日や農地転用許可日ではありません。
  • 地目は主な用途で判断:所有者の希望だけでは選べません。
  • 農地転用を先に確認:必要な許可・届出を経ずに工事を進めないでください。
  • 許可・届出だけでは地目は変わらない:計画した用途が実際に実現した後に登記します。
  • 一部変更は分筆の可能性:利用範囲と主従関係を現地で判断します。
  • 相続登記とは別:地目変更で所有者名義は変わりません。
  • 税・農地台帳も別:各市の担当課へ反映を確認します。

よくある質問

畑に家を建てたら自動で宅地になりますか

自動ではありません。必要な農地転用手続きを先に行い、建物敷地としての利用が実現した後、1か月以内に地目変更登記を申請します。

農地転用の許可が出た日から1か月ですか

原則として違います。地目変更登記の期限は、許可・届出日ではなく、土地の現実の主な用途が変わった日から数えます。

故人名義のまま申請できますか

相続人の1人から申請できる取扱いがあります。故人の死亡、申請者の相続資格、住所のつながりを戸籍等で証明します。

固定資産税の地目が宅地なら登記も宅地ですか

課税地目と登記地目は別です。登記事項証明書で登記地目を確認し、現況と違えば地目変更登記を検討します。

土地の一部だけ駐車場にしました

独立した用途として区分できる場合は分筆が必要になることがありますが、変更部分が主用途に付随する程度なら扱いが異なる可能性があります。現況を土地家屋調査士へ示して確認してください。

1か月を過ぎました

期限後でも申請できます。変更日を示す資料を整理し、放置せず管轄法務局または土地家屋調査士へ相談してください。

関連する相続手続き

参考にした公式情報

情報確認日:2026年9月12日

地目、変更日、農地転用の要否、申請人、添付資料、税務上の反映は土地ごとに異なります。着工・利用開始前に農業委員会、申請前に管轄法務局または土地家屋調査士の最新案内を確認してください。