土地・家屋の所有者が亡くなったら、不動産所在地の市役所へ相続人代表者・現所有者の届出を確認します。代表者は固定資産税の通知を受け取る窓口であり、不動産の取得者を決める人ではありません。税の届出をしても相続登記は完了しません。野田市・松戸市は現所有者と知った日の翌日から3か月、柏市は死亡後1か月以内を目安、流山市は原則として相続発生年内と案内しているため、市別の期限で進めます。
固定資産税の死亡後手続き早見表
- 手続き
- 役割・期限
- 納税義務の承継
- 亡くなった人の地方税の納税義務は相続人が承継
- 相続人代表者
- 納税通知書などを受け取る代表者。所有権や取得割合は決まらない
- 現所有者申告
- 相続登記までの現所有者を市へ申告。野田・松戸は知った翌日から3か月
- 相続登記
- 法務局で登記名義を変更。市への税の届出とは別
- 未登記家屋
- 課税台帳上の所有者変更について、市へ別途確認
4市で届出名と期限が異なる
「全国一律で3か月」と考えず、固定資産所在地の公式案内を確認してください。野田市と松戸市は現所有者申告を3か月以内、柏市は市税手続きを死亡後1か月以内を目安、流山市は相続人代表者届を原則として相続発生年内と案内しています。
4市とも、税の届出は相続登記ではありません。誰が不動産を取得するかは遺言・遺産分割等で決め、法務局で相続登記を行います。
固定資産税の死亡後手続き5STEP
- 1
納税通知書・課税明細書から、土地・家屋の所在地と物件を確認する
- 2
戸籍や法定相続情報一覧図で相続人を確認し、税の書類を受け取る代表者を話し合う
- 3
不動産所在地の市へ、届出名・期限・提出方法・必要書類を確認する
- 4
各市所定の現所有者・相続人代表者の申告書を期限内に提出し、納期限を管理する
- 5
遺言・遺産分割で取得者を確定し、未登記家屋の手続きと法務局の相続登記を進める
誰が手続きをするか
亡くなった人が土地・家屋を所有していた場合は、相続人などの現所有者のうち、固定資産税の書類を受け取る代表者を決めて、不動産所在地の市役所へ届け出ます。地方税法9条は、被相続人に課されていた地方税の納税義務を相続人が承継すると定めています。
相続人が2人以上いる場合、地方税法9条の2に基づき、賦課徴収や還付に関する書類を受け取る代表者を指定できます。代表者が通知を受け取っても、他の相続人の納税義務が消えたり、代表者が不動産を単独取得したりするわけではありません。
相続人代表者・現所有者申告・相続登記の違い
- 相続人代表者:固定資産税の納税通知書などを受け取る税務上の窓口です。
- 現所有者申告:登記名義人が死亡した後、相続登記が終わるまでの現所有者を市へ申告する手続きです。
- 相続登記:法務局で登記名義を相続人へ変更する手続きです。税の届出だけでは完了しません。
- 未登記家屋の所有者変更:登記されていない家屋について、市の課税台帳上の所有者を変更する別手続きです。
自治体によっては、相続人代表者と現所有者の申告を一つの様式で受け付けています。野田市は「相続に係る固定資産を現に所有する者の届」、柏市は「現所有者(相続人代表者)申告書」、流山市は「相続人代表者指定(変更)届」、松戸市は「現所有者申告書」を案内しています。
期限
- 野田市:現所有者であることを知った日の翌日から3か月を経過する日まで。
- 柏市:固定資産税を含む市税の死亡後手続きは、死亡後1か月以内を目安に早めの手続きを案内。
- 流山市:相続が発生した年内。市から届出書が郵送された場合は約2週間以内。
- 松戸市:現所有者であることを知った日の翌日から3か月を経過する日まで。
野田市と松戸市は、正当な理由なく期限内に現所有者申告をしない場合、10万円以下の過料を科すことがあると案内しています。期限が迫っていて相続人や取得者が確定していない場合も、放置せず資産税担当へ事情を伝えてください。
手続き先
固定資産が所在する市区町村の固定資産税担当課へ提出します。亡くなった人の住所地ではなく、土地・家屋の所在地が基準です。複数の市区町村に不動産がある場合は、それぞれの自治体へ確認します。
必要書類
必要書類は自治体と相続状況によって異なります。最初に納税通知書や課税明細書を用意し、担当課へ確認してください。
- 各市所定の現所有者・相続人代表者の申告書
- 亡くなった人と相続人の関係を確認できる戸籍、または法定相続情報一覧図
- 遺言書や遺産分割協議書の写し(法定相続以外の取得や分割済みの場合など)
- 相続放棄申述受理証明書の写し(相続放棄した人がいる場合など)
- 届出人の本人確認書類、委任状(代理提出の場合)
柏市のご遺族支援ガイドでは固定資産税の申告について通常の持ち物を「なし」としていますが、個別事情では確認資料が必要になる場合があります。松戸市の記載例は、戸籍、相続放棄の証明書、遺産分割協議書、遺言書などを「お持ちの場合」に添付する案内です。一律に全部必要とは限りません。
費用
市への届出自体に通常の申請手数料はありません。戸籍などの証明書取得費、郵送料は別にかかります。相続登記には登録免許税がかかり、司法書士へ依頼すると報酬も必要です。
手続き方法
野田市は窓口または郵送、柏市は電子申請または資産税課への連絡、流山市は市の様式による提出、松戸市は窓口または郵送を案内しています。提出前に各市公式ページから最新様式を取得し、受付方法を確認してください。
1月1日と死亡日の関係
固定資産税の賦課期日は毎年1月1日です。その日に固定資産課税台帳へ所有者として登録されている人が原則としてその年度の納税義務者になります。年度途中にその人が死亡した場合、既に成立している納税義務は相続人へ承継されます。翌年1月1日までに相続登記が終わっていない場合は、現所有者への課税や納税通知書の送付に必要な申告を市へ行います。
自分でできるか
相続人と固定資産が把握でき、代表者について話し合えていれば、市の様式を使って自分で届け出られます。ただし、代表者を決めることと、誰が不動産を取得するかを決めることは別です。遺産分割が未了でも、納税通知書の送付先を放置しないでください。
専門家・窓口に相談した方がよいケース
- 相続人の一部が不明、連絡不能、または代表者について合意できない
- 相続放棄、遺言、包括遺贈が関係する
- 未登記家屋、共有不動産、複数自治体の不動産がある
- 滞納税や納期限が迫った税金がある
- 相続登記の期限や遺産分割と一緒に整理したい
税の届出は各市の資産税担当、相続登記は法務局または司法書士、相続放棄や相続人間の紛争は弁護士へ相談します。
注意点
- 代表者指定は所有権移転ではない:代表者になっても、不動産の取得者や相続分は決まりません。
- 税の納期限は止まらない:遺産分割や相続登記の途中でも、納税通知書と納期限を確認します。
- 市ごとに様式と期限が違う:不動産が複数市にあれば、各市へ届出を確認します。
- 未登記家屋は別確認:市の現所有者申告だけで課税台帳上の名義変更まで完了するとは限りません。
- 相続登記は別手続き:市への届出をしても法務局の相続登記義務は満たしません。
よくある質問
代表者になった人が不動産を相続するのですか
いいえ。代表者は税関係書類の受領窓口です。不動産の取得者は遺言や遺産分割などによって決まり、相続登記が別に必要です。
代表者だけが固定資産税を負担しますか
通知先と相続人間の最終負担は別です。地方税法上の納税義務の承継や共有関係を踏まえ、市と相続人間で整理します。
相続登記がすぐ終わる場合も市への申告が必要ですか
期限内に相続登記が完了すれば申告不要となる場合があります。ただし登記の完了時期と市の処理時期によるため、資産税担当へ確認してください。
相続放棄をした人は申告書に書きますか
相続放棄が受理された人は相続人ではなくなります。市から相続放棄申述受理証明書などの提出を求められる場合があるため、担当課へ連絡してください。
代表者を後から変更できますか
各市の変更届などで変更できる場合があります。相続人間で確認したうえで、固定資産所在地の担当課へ相談してください。
関連する相続手続き
野田市・柏市・流山市・松戸市の管轄・問い合わせ先
亡くなった人の住所ではなく、固定資産がある市の資産税担当が窓口です。4市に不動産が分かれている場合は、それぞれの市へ確認してください。
窓口・期限・電話番号の確認日:2026-08-26。提出時は各公式ページの最新様式と受付方法をご確認ください。
参考にした公式情報
- e-Gov法令検索「地方税法」
- e-Gov法令検索「地方税法施行令」
- 野田市「相続に係る固定資産の現所有者の申告について」
- 柏市「納税義務者が亡くなられた時の市税に関する手続き」
- 柏市「ご遺族支援ガイドブック」
- 流山市「固定資産税・都市計画税全般」
- 流山市「おくやみ相談窓口のご案内」
- 松戸市「固定資産の現所有者の申告について」
- 松戸市「土地・家屋の所有者がお亡くなりになったとき」
情報確認日:2026年9月12日
この記事は固定資産税の死亡後手続きに関する一般案内です。届出名、期限、添付書類、受付方法は自治体と個別事情で異なります。提出前に固定資産所在地の担当課へ確認してください。